平井堅、TWICE、Hey! Say! JUMP……5月12日リリースより新譜5作をレビュー

さかいゆう『愛の出番 + thanks to』(通常盤)
さかいゆう『愛の出番 + thanks to』(通常盤)

 ロンドン、LA、NY、サンパウロなどで海外ミュージシャンとセッションして作った『Touch The World』(2020年3月)、2020年の出来事をドキュメント風に描いた『thanks to』(2021年1月)とパンデミック下でも精力的な創作を継続しているさかいゆう。新作『愛の出番 + thanks to』は、音楽的なトライアルと、現状に対する強いメッセージを両立させた作品となった。それを象徴しているのが、タイトル曲「愛の出番」。ブラジル人プロデューサーのRenato Iwaiと制作されたオーセンティックなソウルバラードで、“視点や考え方の違いを認め合い、新しい、幸せな価値を創り出していこう”という思いを真っ直ぐに描き出している。音楽を通して愛を語る、さかいゆうの真骨頂と呼ぶべき名曲だと思う。(森)

さかいゆう 「愛の出番」 Music Video (Full)

 Hey! Say! JUMPからTikTokへのアンサー……とはまで言い切れないが、彼らの新シングル表題曲「ネガティブファイター」では、作詞・作曲にうじたまい、振り付けには新しい学校のリーダーズと、同アプリの人気クリエイターを迎えているあたり、そうした考えも的外れではないかもしれない。メンバーのポップな歌声とエレクトロディスコ調トラックが輝く“ネガティブ讃歌”として、弱気な性格さえ“優しさの裏返し”だと肯定する同楽曲。TikTokに感じるポジティブな空気感を、ネガティブ性と交わらせた構造は、異なる考え方を持つ人々をまとめて笑顔にさせられるアイドル=Hey! Say! JUMPらしさとも重なるようだ。(一条)

Hey! Say! JUMP - ネガティブファイター [Official Music Video]
 

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも選ばれしシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter(@kota_ichijo)

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