ぜんぶ君のせいだ。甘福氐喑、“心の傷”を乗り越えて掴んだもの 「ステージに立つのは自分自身を受け入れるため」

ぜん君。甘福氐喑が掴んだ役割

「患いさんを見ていると、鏡を見ている気持ちになる」

ーー逆に、ぜん君。に加入して気づいたギャップとかはありますか?

喑:ストイックにやっていることは理解していたつもりなんですけど、想像の5倍くらいスポ根でした(笑)。目標のため、患いさんのためっていう情熱がすごくて。ぜん君。って、もちろんスタッフさんに頼ることもありますけど、基本的に自分たちのことを全部自分たちでやるんです。こんなことまでやっているんだって驚きましたけど、全部が患いさんのために繋がるんですよね。本当にぜん君。は患いさん中心に回っているなって思います。

ーー同じ境遇の患いさんに手を差し伸べたいという想いは、達成されてきていますか。

喑:まだ達成はされていないですけど、多少なりとも伝わっているのかなと思います。同じ気持ちだったという患いさんがリプをくれたりするし、やっぱり気持ちが伝わっているからついてきてくれるんだと思うんです。

ーー喑さん自身ももともと患いさんの立場だったからこそ、感じることも大きいのかもしれないですよね。

喑:どちらの気持ちもわかる立場なので、患いさんを見ていると、鏡を見ている気持ちになりますね。患いさんは自分自身だなって感じることが多いです。孤独とかいろいろ共感するので、ライブでお互いに感情をぶつけまくっているんだと思います。

ーーダンスが成長したという話もありましたけど、もともと歌やダンスに対してはどうだったんですか。

喑:ぜん君。に入って気づいたことなんですけど、私って声が大きいみたいで(笑)。喋り声も笑い声も歌声も、「とにかく喑は声がデカくてよく通る」そうなんです。歌は得意じゃなかったんですけど、そもそも歌って上手くても聞こえなければ意味がないので、ツアーでもバンド隊に声が負けたらダメだなって思うようになりました。なので、今は自分の大きい声が好きですし、歌っていくにつれて「自分って可愛い声出せるじゃん」っていう発見もあるので面白いですね。患いさんにも「喑の声、バンドに負けてないね」って言ってもらえることが増えて、自信に繋がっています。

ーー先日の『re:voke tour for 47』ファイナルを見て、初日のZepp DiverCity Tokyoからかなり歌が成長しているなと感じたんですね。特に、ふふさん、襲さん、喑さんはボーカルの個性がまだわからなかったんですけど、「すごくエモーショナルに響いてくる声があるな、誰だろう?」と思ってみたら喑さんの歌声でした。

喑:ありがとうございます! その3人の中だったら一番声が通るので、よかったです。もちろん一番上手いのは襲なんですよ。でも、声が通るのは私とかめぐちゃんなので、「気迫とか声量で頑張っていこうね」ってよく言い合ってます(笑)。

ぜんぶ君のせいだ。"インソムニア" Official MusicVideo

「襲もふふも、私にないものを持っていて尊敬する」

ーーライブでめちゃくちゃ伝わっています。今名前も挙がった同期メンバーのふふさん、襲さんは、喑さんから見てどんな存在ですか。

喑:加入する時、まず先に襲に会っていたんです。本当に顔が綺麗で美人だったから、スンっていう感じの落ち着いた人なのかなと思っていたんですけど、喋っていくうちに本当にアホな子だなって気づきました(笑)。

ーーあはははは。

喑:もはや3歳児ですよ(笑)。言うことも結構パッパラパーなので、見た目の印象と違ってびっくりしちゃいました。でも、実はすごく空気が読めるし、周りのことをちゃんと見ているのは襲なんです。彼女が一番バランスをとってくれているのかなと今は思いますね。例えば誰かと誰かの空気が張り詰めていたとしても、どっちの意見もわかるから、空気を読んで中立の立場にいれるのが襲なのかなって。

ーー素晴らしいギャップですね。

喑:すごいです、あんなにパッパラパーなのに(笑)。ふふは、初めて見た時に「儚くて、触れたら消えてしまいそうだ」と思って。襲とは違う、それこそスッとした感じ。最初はあまり喋らないし、一緒に話せるようになるのか心配だったんですけど、今や普通におしゃべりですし、自分の好きなことになるとすごい早口になるんです。「デュフフ」って笑うし(笑)、彼女も本当にいいギャップを持っていて。

ーーそんなふふさんの「ここはすごい」というところはどこでしょう?

喑:己の時間軸、己の世界観を持っているので、自分の軸がブレないところは本当にいいなと思います。あと、人との距離の詰め方が上手ですね。みんなから猫みたいだってよく言われているんですけど、いつの間にか懐に入ってくるし、あざといんですよ(笑)。自然にそれができるのはすごくいいですよね。私はバッと言っちゃうから中間に立てないし、人と距離を詰めるのに苦手意識もあるから、襲もふふも私にないものを持っていて尊敬しています。

ーー個性の異なる3人が同期なのはいいことですね。

喑:本当に、同期がいるのは大事だなと思いました。一緒に成長できる仲間がいて嬉しいですし、辛いことや課題も、やっぱり同期がいたから頑張れていると思うんです。大切な存在ですね。

ーーぜん君。は昨年、初の活動休止を経験しましたけど、そこから加入するのってプレッシャーがかなり大きかったと思うんですよ。

喑:そうですね......。1人だったら耐えられなかった気がします。

ーーでも、3人一緒に加入して高め合っていけたことは、きっとメンバー全員にとってよかったことだと思うんです。新5人体制がすぐ確立されたことで、幸先よくツアーに乗り出していけたと思いますし。

喑:私たち3人が入って、新しい5人体制を患いさんに受け入れてもらえるのか、最初はすごく不安だったんです。でも、ツアーをしていく中で「やっぱり変わらずぜん君。なんだね」と言って受け入れてくれる人が増えて、本当に感謝ですね。新しい3人が入って、いうなれば別物になったわけなので、それでもライブに足を運んでくれること自体、ありがとうという気持ちでいっぱいです。

ーーでは最後に、今後の喑さんの目標を聞かせてください。

喑:『Sicutie&Stupid Tour 2021』の目標でもあるんですけど、楽しい感情を伝える時に、ジャンプ以外にできることを見つけたくて(笑)。患いさんも自分と一緒にめっちゃ飛んでくれるようになったので、嬉しいんですけどね。あと、カッコいい曲の時にもっと感情を出したいなと思っています。そこがまだまだ自分的にできていなくて難しい。

ーー表現面で参考にしたり尊敬しているメンバーはいるんですか。

喑:やっぱり、めぐちゃんかな。楽しさ、カッコよさ、悲しさ、苦しさ、エモさ......全部の感情を一番経験しているのもあって、本当に表現が上手いんですよ。自分も見ていたら泣きますもん。可愛さとか明るさとか、それぞれで上手なメンバーはいるんですけど、全部をしっかり出せるのはめぐちゃんなので。表現者として憧れますし、見習いたいですね。

ーー『Sicutie&Stupid Tour 2021』は、先日までの『re:voke tour for 47』の経験が活かされた上でのツアーになると思うので、コロナ禍で大変だと思いますが、見どころ満載で期待しています。

喑:次はもっと殻を破ってはっちゃけたいですね。反省、課題、目標がいっぱいありすぎてごちゃごちゃですけど、とにかく自分の幅を広げたいなと思います。もっと面白みのある人間になりたい......! 現状に満足せず、常に上を目指して頑張ります。

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<締切:5月29日(土)>

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