三代目 J SOUL BROTHERS 登坂広臣、クリアで芯の通った歌声 スマートな立ち振る舞いで魅了する“クールなカリスマ”

三代目JSB登坂、クリアで芯の通った歌声

 今市隆二の歌声が、楽曲に繊細な表情をつける役割だとしたら、登坂広臣は、芯の通った歌声と安定したピッチで楽曲を支えるボーカリスト。低音から高音ファルセットまでしっかりと聞こえるクリアな声質のため、一言一言のパンチ力が強く、ラップでも才能を発揮している。自身もダンスミュージックやヒップホップを好み、「PLAY THAT feat. 登坂広臣, Crystal Kay, CRAZYBOY」のようなコラボ曲に参加しているほか、ソロアーティストとしてもEDMを軸にした音楽性で活動中。2015年、三代目 J SOUL BROTHERSのアルバム『PLANET SEVEN』に初の作詞曲「Link」が収録されたのを皮切りにソロ曲を発表し始めると、2017年7月27日には、ソロプロジェクトの第一弾楽曲「WASTED LOVE」をHIROOMI TOSAKA名義で配信リリース。2021年からは、自身のプロデュースプロジェクト「CDL entertainment」の本格始動に伴い、ソロアーティスト名義をØMIに改め、アーティストや俳優という枠を超越した“表現者”として活動している。なお、現在は、5月12日に1st EP『ANSWER... SHADOW』のリリースを控えているほか、4月22日にYouTubeで配信された「三代目J SOUL BROTHERS メンバー会議」にて、6月16日に三代目 J SOUL BROTHERSが10周年記念シングル第1弾『100 SEASONS / TONIGHT』をリリースすることも発表。2020年に実現しなかったデビュー10周年のアニバーサリーイヤーが、やっと本格的に動き始めるようだ。

三代目J SOUL BROTHERS メンバー会議
ØMI - ANSWER... SHADOW (Official Music Video)

 また、先述したように、2014年には映画『ホットロード』で俳優デビューを果たし、演技初挑戦ながらも、第39回報知映画賞 新人賞、第38回日本アカデミー賞 新人俳優賞、第69回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞、第24回日本映画批評家大賞 新人男優賞といった賞を受賞。その際には「これから演技の方へとか、ぜんぜん考えていなくて。むしろ、揺るぐことなく本業をしっかりやらなければ、という気持ちですね」(※3)と、ますます加速する音楽への想いを口にしていたものの、その後も『HiGH&LOW』シリーズに人気キャラクター 雨宮広斗として連続出演。2016年には『HiGH&LOW』で兄弟役を演じているEXILE TAKAHIROや、GLAYのHISASHIが所属する4人組ロックバンド ACE OF SPADESと共に楽曲を発表。EXILE TAKAHIROとのツインボーカルで、ロックボーカリストとしての一面も覗かせた。

 登坂広臣のキャラクターは、“クールで冷静なカリスマ”。小林は「その場の空気を一瞬で変える天性のヴォーカリスト。本当にパンッと変わります。多方面に興味があり、それを三代目 J Soul Brothersの成長に役立ててくれそうな存在です」、山下は「新しいものを追求するタイプ。いいものはイイと認め、歌でもダンスでも新しいものをどんどん見つけて提供してくれる」(※4)と紹介しており、温故知新の精神で音楽や自身の表現と向き合っている今市とは、対照的な考え方を持っているようだ。女性ファンはもちろん、登坂のスマートな立ち振る舞いやファッションセンスに憧れる男性ファンも多く、ライブ会場には登坂へのリスペクトを体現した男性ファンの姿も。その反面、気心の知れたメンバーの前では、歳の差を感じさせないラフなノリで絡んでいく姿も見られ、ふいに溢れる笑顔でファンを魅了している。満月、三日月、新月など、次々に形を変えていく月のように、多彩な顔を持つ登坂広臣。その心の奥には、誰よりも熱い青い炎が燃え続けている。

※1:https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1880818.html
※2:https://mdpr.jp/news/detail/1402411
※3:https://www.crank-in.net/news/35270/1
※4:https://numero.jp/culture-20130218-jsoul/

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter(@stmdr38)

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