KAT-TUN、新番組『何するカトゥーン?』『食宝ゲッットゥーン』スタート “タメ旅”でも発揮してきたバラエティ力

 2019年4月からは地上波放送に切り替わり、2021年3月26日の最終回まで、シリーズとして捉えるとKAT-TUN史上最長の番組だ。天の声のなどのスタッフをはじめ、ゲスト、ロケ先で登場したインパクト大な一般人との絡みを通して見えてきたのは、メンバーの個性、バラエティ番組でしか見られない一面だった。

 亀梨はセクシーボイスでの胸キュン発言と料理。船上で大久保佳代子とシャンパンで乾杯をしたことがあったのだが、グラス同士がキスをするように傾げると小ネタを披露したほか、特にホテルシリーズとの相性が抜群で、天の声のフリを受けてセクシーな言葉を放つなど共演者も視聴者も沸かせた。また得意の料理の腕をふるう“かめざんまい”も印象深い。伊勢海老を使ったパスタは“かめざんまい”史上最高傑作と紹介されたほど。料理人さながらの本格的な料理でもてなした。

 上田は、破天荒な名言とストイックな挑戦。ダイエット企画では「シャドー・武道・やったるどーってな!」と名言ならぬ迷言で挑戦者を鼓舞。クールに見える上田だが、天の声のむちゃぶりではじまるシャドー、“ワンツー”ネタもすっかり定番に。即興でたくさんの笑いをもたらした。また、ダチョウの卵を額で割って爪痕を残そうと全力で立ち向かった結果、額にたんこぶができてしまった“力加減バカ男”事件と、上田のストイックさはバラエティでも健在だった。

 一方、繊細な人柄がみえてきたのは中丸雄一。地方のマイナーな場所を巡るマイナーツアーでは、キャラの濃い相手に心を閉ざすスイッチがオンになったり、たんぽぽ・白鳥久美子とは海外ロケで犬猿の仲になったり。その後、仲直り旅に出かけるも平行線を辿ったまま。しかし、それも相手を気遣うあまりこじれてしまったのだった。その上、理路整然とした語り口調が誤解を招いたようだが、初期の頃は中丸のロケ交渉術によって、旅がかなり充実したものだ。

 以前、番組プロデューサーにインタビューをした際に、3人について「根っからの優しいお兄さん」と、スタッフを気遣うメンバーの一面を明かしていた。過酷なロケに挑戦するメンバーとそれを捉えるスタッフ、過酷だからこそ同士のような気持ちが芽生えたとも語っていた。どんなお題にも、受けて立つ! と言わんばかりに生き生きとロケに挑み、やってのける姿がKAT-TUNらしくてカッコよかった。

 さて、19日に第1回目の放送を終えた『何するカトゥーン?』は、「やったことがないことをやる」という方向性。事前にKAT-TUNにやって欲しい企画を募集したところ、約2日間で1万4千通の応募が集まったと伝えられた。番組では新曲「Roar」「Flashback」を披露と、トークあり歌唱ありのこれぞ冠番組らしい構成だった。これからどんな企画が立ち上がるのか、一から番組を作っていくようで楽しい。

 また、4月23日からスタートする『KAT-TUNの食宝ゲッットゥーン』では、20代の若手新米ディレクターと番組を作るという。亀梨は「ディレクターさんの個性をどう引き立たせることができるかということを考えつつ、良い意味で遊べるように意識して臨みました」とコメントしたように、出演者でありながらプロデューサー視点を持ちながら携わっている様子。

 デビュー15周年を迎え、バラエティ歴もほぼ同じ年数を数えるKAT-TUN。2番組を通してまだ見ぬKAT-TUNに出会えそうだ。まずはメモリアルイヤーを冠番組で祝える喜びを噛みしめながら、番組を盛り上げたい。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

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