海外リスナーからも賞賛される新鋭シンガー RAKURA×Ra-U、二人三脚で歌にした“等身大の素顔”

RAKURA×Ra-U対談インタビュー

「他の人と被りたくない」という言葉から“強さ”を感じた(Ra-U)

――(笑)。この曲は先ほど、90s’というお話がありましたけど、本作は60~90年代をテーマにした楽曲が収録されています。このまま曲順通りに行くと、「Jewel In The Crown Jewel in the Crown」が60年代のソウルミュージックですよね。

Ra-U:サウンドとしては、映画のサントラに入っていてもいいようなブラックミュージック、60年代~70年代前半のモータウンとかソウルミュージックに、今のアーバン感を足してできたらなっていうのがありましたね。

RAKURA:歌詞を一緒にはめていって。夜までZOOMでずっと、「この言葉はどう?」って話し合いながら作っていきました。

Ra-U:「何好き?」「どんな化粧品が好き?」という話から始まって。その時にRAKURAが「他の人と被りたくないんだよね」と言っていて、その自信というか、英語で言うと「Confidence」。社会的なウーマンパワーとは違う、もっと個人的な強さを感じたので、それを曲にも反映しましたね。本当に色々と話したので、今なら好きな化粧品や色まで全部知っています(笑)。

ーーRAKURAに関して、一番詳しい人かもしれない。

RAKURA:そうですね。いろんな質問をされて、全部、答えました(笑)。私、小さい頃から、目立つのが好きだったんですよ。3歳からミュージカルを始めて、舞台に立って、人前で見られることをしてきたし、授業で発表するのも好きで。目立ちたいし、人と違うことをしたいとずっと思ってきたんです。でも、自信がない子たちに「もっと自信を持とう!」と届けるのではなく、“自信”のある姿を私が見せることで何か伝われば嬉しいなって。

ーー映画『バーレスク』感もありますよね。

RAKURA:まさにMVは「バーレスク」をイメージしていて。私は知らなかったんですけど、この曲ができてから映画を観て、カッコいいなって。だから、過激で激しくて美しい女性像をMVで表現しました。

ーーダンスも披露してるんですよね。

RAKURA:小さい頃からダンスもやっていたので、バックダンサーさんについてもらって、踊りました。あと、ダメもとで、「オープンカーを用意してください」って言ったら、なんと用意してくださって……びっくりしましたね。言ってみるもんだなって(笑)。メイクや髪型、衣装のイメージをスタッフの方に共有したり、MV監督さんとも話し合ったので、私のイメージ通りの素敵な作品ができたと思います。

――ビジュアル面に関しても深く制作に関わってるんですね。続く、「Runaway」は80年代のニューウェーブです。歌詞も歌声も強いですよね。

RAKURA:この曲は私の経験から生まれた曲です。私は、ずっと本気で音楽と向き合ってきたんですけど、音楽活動をしている子たちが周りにいる環境にいるの中で、その子たちから攻撃されることもあったんです。でも、その行為自体に悲しくなることもなければ、言い返したいという気持ちはなくて。ただ、私に文句を言う時間があれば練習すればいいのにって思っていたんです。その時に思っていた感情を曲にしました。その子たちのヘイトではなく、私はやるべきことをやったから、今、こうなっているんだよっていう。

Ra-U:話を聞いていても相手への怒りではなく、RAKURAが燃えている感じが伝わってきたんです。ある意味、自分に対しての戒めでもあるような歌詞に仕上がりましたね。

RAKURA:歌詞には難しい言葉も入っているんですけど、少し潰して歌ってもいるんです。伝える前提ではないので、あえて聞き取れないような歌い方にしています。

ーーコブシの効いたようなフェイクが印象的でした。4曲目「BIG FLEX」は70年代のディスコ/ブギーファンク調になってます。

RAKURA:ビートが一番大好きです。一番ノレて歌いやすいし、カッコいいですね。

Ra-U:70年代でそこを狙いに行くつもりはなかったんですけど、たまたまビートを打ったら、「こんなの好き!」って反応してくれて。RAKURAには最初は年代のコンセプトのことは話してなかったんですけど、用意したパズルをRAKURAが勝手にはめていった感覚もあるから、少し驚いています。

ーー歌詞は大人っぽい世界観ですよね。

RAKURA:シチュエーションは、昔別れた彼氏とたまたまバーで再会するイメージで。その時に、悲しんで別れたけど、昔の弱い私じゃないよ、舐めないでっていう強い気持ちを描きたかったんです。

Ra-U:RAKURAが劇団にいたと話してましたが、女優魂というか、演技として役に入る感覚がすごく面白くて。舞台にいるRAKURAだな、それをどう演出しようかなと思って、最初はミュージカルっぽいのも考えたんですけど、結果的にディスコになりました。

ーーまだバーには行けない年齢ですからね。

Ra-U:こういう歌詞を想像して書くのが面白いですよね。

RAKURA:経験はないんですけど(笑)。傷つけられて悲しいとか、もっと私を愛してとか、ドロドロした感じの女の子らしいラブソングよりも、私はこういう強いラブソングの方が好きだし、自分がこういう女性になりたいっていう願望があるのかもしれないですね。

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