でんぱ組.inc 相沢梨紗、当事者として語るアイドルシーンの変化 「今のほうがよほど戦国時代」

でんぱ組相沢が考える、アイドルシーンの変化

“競技が違う”アイドルとの戦い

ーー今はそういうカルチャーの分断もあまりなくなりましたよね。アニメ/声優ファンとアイドルファンの境目がかなり曖昧になってきていて。

相沢:それはめちゃくちゃ感じますね。アイドル以外の人もリリイベとかを普通にやるようになってますし、声優さんがタレントとしてテレビに出るようなこともめちゃくちゃ増えていて。アイドル戦国時代と言われていた頃よりも、今のほうがよほど戦国時代だと思う。

ーーなるほど、別の分野に“アイドル”と呼べる人がたくさんいるっていう。声優さんはもちろん、女優さんやモデルさん、もしかしたらアナウンサーも……。

相沢:そう、みんなアイドルだから。

ーーアイドルシーンの中での戦いはいったん落ち着いたけど、いわば国内リーグの試合が終わって代表戦が始まるみたいな感覚ですか?

相沢:しかも、競技も違うっていう(笑)。アーチェリー対フェンシングみたいな試合が行われるフィールドに出ていかなければいけないので、ちょっと怖いですね。

ーーそこに向けての策は何かあるんでしょうか。

相沢:でんぱ組.incは器用にいろいろ対応できるタイプではないので、「これが私の武器です」というものを突き詰めて尖らせていくのがうちらのやり方だと思います。それをやり続けるだけかな。でんぱって、意外とスポ根なんですよ(笑)。

ーー新メンバーの5人(愛川こずえ、天沢璃人、小鳩りあ、空野青空、高咲陽菜)は今年2月に加入したばかりですけど、そこで戦えそうですか?

相沢:大丈夫だと思います。弱そうに見えて実はどこかの部分ですごく負けず嫌いだったりとか、みんなすごくでんぱ組.incっぽいんですよ。私は一応リーダーなので、「いっぱい入ってきて大変だね」とか言われることも多いんですけど、逆にいっぱい増えたことで役割を分散させられるから、実は楽なんです。

ーーなるほど。新入りではあるけども、すでに「このポジションは任せた」ができる人たちなんですね。

相沢:そう思ってます。もともとアイドルを経験してきている子もいるので、それがすごく土台になっていて。私たちがでんぱ組を始めたときなんて、25秒くらいのイントロの振り入れに2日かかったりすることもあったんですけど、今はそれとは比べ物にならないスピードで振り入れが進むので、頼もしさしかないですね。むしろ追い越されないようにがんばらなきゃって。

ーーねもぺろ(根本凪と鹿目凛)の2人はどうですか? 気づけば加入からだいぶ経ってますし、今回ついに後輩もできたわけですけど。

相沢:後輩ができたことで本人たちがどう思っているのかはまだ詳しく聞けてないんですけど、あの2人はもう、完全に欠かせないピースになっていますね。先日ねもちゃん(根本)のバースデーイベントを観たんですけど、1人でもちゃんとでんぱ組を咀嚼して自分の表現に昇華していて、すごく頼もしかった。いてくれないと困る人です。

ーーなるほど。ぺろりん(鹿目)はいかがです?

相沢:頼もしくなりましたよ。私、えいたそちゃん(成瀬瑛美)が抜けるときに「MCどうしよう?」って思ったんですよ。「これでみりんちゃんがもし産休に入ったら、9人を私1人で回すのか? そんなに抱えられないよ!」って(笑)。そしたら、ぺろりんが「梨紗さんだけには任せられないから! 私、回しがんばります!」と言ってきてくれて、「おおー」と思いましたね。でも、それはぺろりんの役目ではないじゃないですか(笑)。自由にやってもらわないとぺろりんのよさが消えちゃうから、「ありがとう、ぺろりん。でも、君は君の好きなときに好きなようにしゃべっていいんだよ」と伝えました。

ーー「自分がなんとかしなきゃ」という一心だったんでしょうね。

相沢:そう、グループにすごく愛情を持ってやってくれているのが伝わってきて、感動しました。

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