遊助×N.O.B.B.、「ひまわり」からブレない音楽活動への熱量「もがいたとしても最後は絶対にいい球投げてくる」

遊助×N.O.B.B. 音楽への熱量

表現力はもちろんだけど、録りが格段に早くなった(N.O.B.B.)

ーーでは、ご自身のボーカルの成長に関してはどう感じていますか? アルバムを時系列に聴き進めていくと、表現力の豊かさは確実に増していると思うのですが。

遊助:成長してんのかなー。

N.O.B.B.:してるよ! 表現力はもちろんだけど、録りが格段に早くなった。1曲に対して、少ないテイクでバシッといい歌をくれるんですよ。歌のレコーディングが1、2時間で終わることも多いですからね。過去の作品では、歌った後にここちょっと変えようかって手直しすることもあったけど、今回はそういうこともほぼなかった。きっと家で歌詞を書いてる段階でボーカルのイメージもかなり鮮明に見えてるってことなんでしょうね。

遊助:最初はレコーディング自体、ほぼ始めてみたいな状況でしたからね。探り探り我流で投げ始めて、それがずっと続いている感じ。どこかボール遊びみたいな感覚があるのかもしれないですね。そこも「どんなボール投げれんだよ」っていう外野からの声に対して、「見てろよ!」みたいな気持ちで投げ続けてきたっていう。だから自分ではあんまり成長に関してはよくわかんないんですけどね。とは言え、制作作業はすごく楽しいものではあるので、その中で自然と身についたものはあるんだと思います。

N.O.B.B.:でも、歌詞も含めた部分ではあるけど、今まで以上に新しいキャラをどんどん出してくるようにはなったよね。今回のアルバムでも、すごい攻めたキャラで歌詞を書いてきた曲があって。それは結果的にボツになっちゃったんだけど、表現に関しても新たな引き出しを開けようとはしていると思うんですよ。

遊助:アレね。全ボツですよ。沈没(笑)。なんか自分としては今まで感覚的に封印してた表現もここ最近は「出してもいいかな」って思えるようになったところはあって。振り返れば2019年にソロデビューから10年経ったことがデカかったのかもな。それだけの時間、続けることができたから、ここからは自分で作ったルールや決め事を気にしなくてもいいやって思えるようになったというか。

ーーデビュー以来、「あの・・~」で統一してきたアルバムタイトルの縛りもデビュー10周年以降、解かれましたしね。

遊助:そうそう。ある種、気持ちが解き放たれたというか。だからこそ今はより自由にやらせてよっていう感覚が強いんだと思います。

コロナ禍を生きる人たちに寄り添った内容になった(遊助)

ーーそういった感覚で作り上げられた最新作『For 遊』は、またバラエティに富んだ楽曲が目白押しで。その多彩さはいつも通りの遊助さんのスタイルですけど、確実に新たな遊助さんの姿もたっぷり感じることができる仕上がりだと思います。

遊助:コロナ禍で人と人との距離、心と心の距離が開いてしまった感覚がすごくあって。同時に、外出自粛の期間なんかには自分自身を見つめる時間がみんなあったと思うんです。今回のアルバムには、そういう時間を過ごしたからこそ出てきた言葉、世界観を持った曲が詰め込めたかなとは思いますね。高いところから俯瞰したような曲ではなく、逆に聴き手の耳や心に近いリアルな世界、メッセージを持った曲が多いような気がします。そこはあんまり意識してはいなかったけど、コロナ禍を生きる人たちにちゃんと寄り添った内容にはなったかな。

N.O.B.B.:去年は通常のライブができなかったので、基本的に人を楽しませることが好きな遊助としては溜まっていたものもあったと思うんですよ。だからこそ今回は楽しませようっていう欲望が強く出ている曲が多いようにも思いますね。10枚目にしてネタ切れするどころか、いつも以上にいろんなタイプの歌詞が出てきたし、上がってくるスピードも早かったですね。制作自体、すごいスピード感だったし。1月末から録り始めて、2月中旬にはほぼ終わってたんで。

遊助:うん。3月24日リリースなのに、もうついさっき終わった感じですよ。「1日に何曲作るんですか⁉」って感じで(笑)。多いときは1日4,5曲やったもんね。

ーー内容に関しては1曲目「世の中に2文字しか無くなってもいいや」から遊助節全開で。

N.O.B.B.:こんな長いタイトルってあんまりつけないものだけど(笑)、でもこの長さだからこそ聴き手に与えるインパクトもあるし、遊助が伝えたい思いも明確になるっていう。この2文字って、要は“ス”と“キ”ってことなんだけど、その伝え方もまた遊助らしいところですよね。そういう言葉のセンスみたいなのは2曲目の「何やってんだか分かんない人へ」も同様ですね。ストレートだけど、すごくあったかさがあると思う。遊助の人柄がにじみ出ている歌詞を見ていると、お恥ずかしい話ですけど、つい泣いちゃうことも多くて(笑)。しょっちゅう一緒にいる俺でさえそれくらい感動してしまう言葉だからこそ、たくさんの人の心に刺さるものになってるんだなってことをあらためて感じますね。

ーーアルバム恒例の遊turing曲では今回、ラッパーのRude-αさんとレゲエシンガー・寿君、そしてシンガーソングライターのAnlyさんが参加されていますね。

遊助:Rudeくんとやった「君の夜に幸せが降れ」は、ひとつひとつの出会いを大切にしなきゃいけないっていう、コロナ禍であらためて感じたことを曲に落とし込みました。離れてしまったとしてもその人の幸せを願えるような、そんな出会いを重ねていこうねっていう気持ちを込めたラブソングにしました。Rudeがこれまでに歩んで生きた人生のこととかをいろいろ聞きつつ、「女々しい主人公にするのはやめような」みたいな感じで方向性を2人で固めながら、どこか映画を作っている感覚で仕上げていきましたね。

N.O.B.B.:遊turing曲に関しては、ほぼゼロからスタジオで一緒に練り上げていく感じなんですよ。物語の方向性や結末を決めた上で、8小節ずつ歌詞を書いていく流れで。そのセッションはほんとにスリリングだし、感動的ですらありますね。「こんなにすぐ歌詞書けるんだ。すげぇな!」っていう。

遊助:寿君との「新生活~See you again~」は、アルバムのリリース時期からイメージが固まった感じでしたね。さよならを経験しながらも、ちゃんと前に向かって歩き出せるような曲を作りたかったんです。寿君はすごく人懐っこくて、どこか自分と似た温度を感じる子だったので、ちょっとかわいらしさもありつつ、でもしっかりエネルギーも感じられる曲にしようと。男同士、親友同士のいい青臭さも歌詞では表現できたと思いますね。

N.O.B.B.:Rudeくんも寿君も全然タイプの違うアーティストだから、作り方もまったく違っていて。そこもまたおもしろいところでしたね。

遊助:「Believe」でご一緒したAnlyさんも含めて、今回も学びがたくさんありました。3人が3人とも違った個性、魅力を持ったボーカリストなので、制作はめちゃくちゃ楽しかった。いい化学反応が起きたんじゃないかなって思います。

ーー「ばいばい。」という楽曲が象徴的ですけど、今回は遊助さんのルーツのひとつであるヒップホップ色の濃い作品のような印象も受けました。

遊助:ラップをしてる曲がけっこう多いかもしれないですね。基本的には自分が今作りたいと思うものをN.O.B.B.くんを含めたいろんなクリエイターの方々と形にしていくんですけど、今回は自然とそういう曲が集まったっていう。

N.O.B.B.:「ばいばい。」に関しては、あそこまでフルでがっつり、しかも男っぽい低いトーンでラップしてる曲は今までなかったと思うので、新鮮さはすごくありますね。そういう部分ではヒップホップ要素を感じていただけたのもよくわかる気もします。こういう遊助もいいですよね、すごく。

ーー7月からは待望の全国ツアーもスタートしますね。

遊助:まだどういう形でできるのかが見えていない状況ではあるんですけど、安全を考慮した上で、最高のライブができるように準備したいですね。去年リリースした前作『遊言実行』の曲も含め、まだお客さんの前で披露していない具材はたくさんあるのでね、それらでライブを彩ろうと思います。

N.O.B.B.:こういう時期だからこそ、今までにない新しいスタイルのライブができると思うので、そこは純粋に楽しみでもあって。『遊言実行』『For 遊』というアルバム2枚分の曲を爆音で共有できること、そして生の遊助が歌う声をみんなに届けられることが最高にうれしいです。

遊助:例え座りながらでも、声が出せなくても、お客さんが10人しか入場できなかったとしても、必ず楽しめるライブにするつもりなので、ぜひ楽しみにしていてください!

■リリース情報
『For 遊』
2021年3月24日(水)発売
【初回生産限定盤A】(CD + DVD) ¥5,980(税込)
【初回生産限定盤B】(CD + DVD) ¥4,500(税込)
【通常盤】(CD only) ¥3,500(税込)
【CD収録内容】
 01. 世の中に2文字しか無くなってもいいや
02. 何やってんだか分かんない人へ
03. クローバー
04. 君の夜に幸せが降れ 遊turing Rude-α
05. ばいばい。
06. Winning Dance
07. 青炎
08. 新生活~See you again~ 遊turing 寿君
09. トロピカル由比ヶ浜
10. 君と一緒にいたいから一生に一回
11. CAMPの夜に
12. Believe 遊turing Anly
13. 明日よcome on!!(※通常盤のみ収録)

【初回生産限定盤A 特典DVD】
「遊助配信ライブ2020@Toyosu PIT」~History All Songs~
【初回生産限定盤B 特典DVD】
01.「何やってんだか分かんない人へ」Music Video

02. Documentary of 何やってんだか分かんない人へ
03.「君の夜に幸せが降れ 遊turing Rude-α」Music Video
04. Documentary of 君の夜に幸せが降れ 遊turing Rude-α-

■ツアー情報
『遊助TOUR 2021』
7月1日(木):森のホール21 【17:00/18:00】
7月4日(日):神奈川県民ホール 【17:00/18:00】
7月10日(土):オリックス劇場 【17:00/18:00】
7月11日(日):オリックス劇場 【13:00/14:00】
7月11日(日):オリックス劇場 【17:00/18:00】
8月13日(金):中野サンプラザ 【17:00/18:00】
8月14日(土):中野サンプラザ 【13:00/14:00】
8月14日(土):中野サンプラザ 【17:00/18:00】
8月21日(土):神戸国際会館こくさいホール 【16:00/17:00】
8月22日(日):神戸国際会館こくさいホール 【13:00/14:00】
8月22日(日):神戸国際会館こくさいホール 【17:00/18:00】
8月28日(土):グランキューブ大阪 【17:00/18:00】
8月29日(日):グランキューブ大阪 【17:00/18:00】
9月3日(金):中野サンプラザ 【17:00/18:00】
9月4日(土):中野サンプラザ 【13:00/14:00】
9月4日(土):中野サンプラザ 【17:00/18:00】

上地雄輔モバイル先行(抽選)※全ランク対象
受付日程:3月19日(金)18:00~ 4月18日(日)23:59
当落確認:4月21日(水)15:00~
チケットについての詳細:https://sp.y-kamiji.jp/page/tour2021_202103152313

<遊助「For 遊」発売記念キャンペーン決定>
■実施期間
3月23日(火)~3月29日(月)
※実施期間は、店舗によって多少前後など期間変更する場合あり

■対象店舗
【北海道】HMV 札幌ステラプレイス
【東京】SHIBUYA TSUTAYA
【名古屋】タワーレコード 名古屋近鉄パッセ店
【大阪】タワーレコード 梅田NU茶屋町店
【福岡】タワーレコード 福岡パルコ店

<購入者様対象 店長・遊助の名刺プレゼント>
キャンペーン実施期間中に、対象店舗にて対象商品を購入で、店舗スタッフより店舗特典にあわせて店長・遊助の名刺をプレゼント
※対象商品1点につき1枚の名刺をプレゼント
※ご予約者様優先
※商品の取り置き不可
※名刺の配布は、実施期間内であっても無くなり次第終了

■実施期間
3月23日(火)~3月29日(月)
※実施期間は、店舗によって多少前後など期間変更する場合あり

■対象店舗
【北海道】HMV 札幌ステラプレイス
【東京】SHIBUYA TSUTAYA
【名古屋】タワーレコード 名古屋近鉄パッセ店
【大阪】タワーレコード 梅田NU茶屋町店
【福岡】タワーレコード 福岡パルコ店

■対象商品
2021年3月24日発売 遊助10thアルバム「For 遊」
【初回生産限定盤A】SRCL-11743-4  \ 5,436 +税
【初回生産限定盤B】SRCL-11745-6 ¥4,091 +税
【通常盤】SRCL-11747 ¥3,182 +税

遊助のサイン入りチェキプレゼント

遊助サイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

応募方法

リアルサウンド公式Twitterと公式Instagramをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※なりすましにはご注意ください。本アカウントは以下となります。

リアルサウンド 公式Twitter
リアルサウンド 公式Instagram

<締切:4月14日(水)>

遊助 オフィシャルサイト

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる