高田馬場AREA、名古屋APOLLO BASE……建物の老朽化による相次ぐライブハウス閉店

建物老朽化によるライブハウス閉店相次ぐ

 マンションなどの場合、老朽化の程度によって修繕や建て替えを行うのが一般的だが、ライブハウスの場合はコストがかかりすぎる上、補修工事では間に合わず閉店となるケースが多いようだ。他の新しいビルに移転するという選択肢もあるが、防音工事などのコストや手間、さらに地域と共存する難しさもあるだろう。騒音や振動などの問題や、ライブハウスにネガティブなイメージを持っている人もいまだに多いことから、ライブハウスが設立される際は近隣住民から反対の声があがることも少なくないという(※1)。先述した高田馬場AREAは、和菓子店とスーパーの間にあったため、入口には決して人だかりができないようスタッフが常に目を光らせてかなり厳しく注意を払っていたし、アルコールの提供の際には全員の身分証を必ず確認するなど、未成年者飲酒禁止法の順守を徹底していた。そういった物件探しの難しさや、このご時世にライブハウスを運営し続けるリスクが高いことも加わり、移転を断念せざるを得ない経営者も多いようだ。

 高田馬場AREAは2021年12月31日、名古屋APOLLO BASEは2022年3月27日が最終営業日。また一つの文化と歴史が終わりを迎える。楽しい時間と思い出をつくってくれたかけがえのない場所に、最大級の感謝の気持ちを贈りたい。

(※1)https://natalie.mu/music/column/370863/page/2

■南 明歩
ヴィジュアル系を聴いて育った平成生まれのライター。埼玉県出身。

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