KinKi Kids、『ブンブブーン』などで見せる“もてなす力” 前例のない状況すら楽しむ姿勢

 毎回違うテーマでありながら、様々なゲストと一緒に取り組むことで一体感が生まれる。また、KinKi Kidsから語られるエピソードの面白さもあり、たとえゲストが登場しない回でも2人だけで十分番組が成立する理由の一つだ。初めて2人だけでリモート収録を行った2020年5月30日放送回や、総集編のVTR後、番組テーマソング制作の打ち合わせをした2020年6月20日の放送回などはまさにその象徴的な回だったように思う。

 剛が考えたサビのフレーズを口ずさんで聞かせると、光一からミュージシャンをリモートでつないだ形の録音が提案される。剛は「音楽ができあがっていく過程も楽しいからね」とも語り、2人とも見せ方にこだわっていた。

 続けて、いいフレーズを思いついたら教えて欲しいと剛。「なんとなくポンとジャニーさんが言ったことで世界がドンと動くみたいなことがあるじゃない? あの感じで言ってくれればいいかな」と言えば、光一も「ワクワクするじゃない、新しい形で。こうなっていなければこういうこと(=リモートでの楽曲制作)もできなかった」と、前例がない状況をむしろ「どうのりこえたろ!」と楽しむかのような姿勢を2人のやりとりから感じた。

 どっしりと構えるKinKi Kidsだからこそ、誰がゲストでもどんなテーマでも、それらに引っ張られすぎることなく、かといって小さくまとめたり、型にはめたりすることもない。ゲストをもてなすべくゲストと一緒に楽しみ、撮影の流れを読みながら、エッセンスを加えていくKinKi Kidsの2人に、ベテランならではの手腕を感じるところだ。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

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