OWV、絶妙なバランス保つ歌唱力 「Roar」4人の役割から考察

 そして、佐野はAメロ部分でメロディアスなラップを披露。地声よりもやや高めで音程を取っており、いいアクセントになっている。特に2番のAメロ。音程を飛ばしている部分は、彼の声質に非常に合っているのではないだろうか。この先、こうした楽曲のポイントに彼らしい声を乗せることが佐野の武器になっていきそうな予感がする。

 その対となるパートの多くを担っているのは、本田だ。彼もまた、元々の声質がいい。高音でも低音でも、甘めな声質が消えることなく活かされているのは、彼ならではの強みだろう。同曲でもその声を活かして、〈I'm a lion I'mma roar〉の部分など、楽曲のポイントを作っており、スパイスを加えている。

 こうして「Roar」を聴いていくと、デビューして1年経っていないにもかかわらず格段に進化をしていることが分かる。MVやダンス、表情だけでなく、歌の表現にまでコンセプトが乗っており、拙さは一切見えていない。一瞬たりとも肩の力が抜ける瞬間がないほどに気合いがみなぎっており、まさに咆哮し続けているイメージだ。

 4人それぞれ得意分野があったはずだが、今ではその差もどんどん埋まってきている。ダンスも歌も、「4人全員がメインを張れるのでは?」と思うほどだ。この状態になるまで、きっと相当な努力をしてきたはずだ。4月11日には初のワンマンライブ『OWV 1st Anniversary Talk & Live "AWAKE"』の開催も決定したOWV。結成2年目はさらなる飛躍の年となるのではないだろうか。今よりも多くの人がOWVというボーイズグループを知る日はすぐそこまで来ているのかもしれない。

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