坂道グループはなぜフォークソングを歌う? WHITE HIGH、花ちゃんズ……歴代楽曲で描かれたメンバーの成長

 坂道グループ全体に視野を広げると、欅坂46(現:櫻坂46)の小林由依と今泉佑唯による「ゆいちゃんず」、日向坂46の富田鈴花と松田好花による「花ちゃんズ」のフォークデュオがある。今泉の卒業、櫻坂46への改名によりその活動に幕を閉じたゆいちゃんずは、短い期間ながら「渋谷川」「ボブディランは返さない」「チューニング」「1行だけのエアメール」「ゼンマイ仕掛けの夢」と5曲もの持ち曲を与えられる人気ユニットだった。『欅坂46 THE LAST LIVE』では、小林が今泉の意志を継ぐ形で「渋谷川」を一人で弾き語りしている。

 そして、花ちゃんズは、けやき坂46時代から富田と松田が組んでいたユニットで、日向坂46の3rdシングル『こんなに好きになっちゃっていいの?』で晴れて初の楽曲「まさか 偶然…」を与えられた。昨年3月には、弓木英梨乃(KIRINJI)をゲストに迎えたMTVによる招待制ライブイベント『MTV ACOUSTIC FLOWERS -Bell & Like-:富田鈴花・松田好花 (日向坂46)』の開催が決まっていたものの、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2021年に開催延期となっている。しかし、その間も『ギター・マガジン・レイドバックVol.4』の表紙を2人が飾ったり、昨年末の配信ライブ『ひなくり2020~おばけホテルと22人のサンタクロース』では活動を休止していた松田の復帰ソングとしてメンバーに囲まれながら「まさか、偶然…」が披露されていたりと、花ちゃんズの絆はさらに強固なものとなっている。

 3坂道に共通して存在しているフォークデュオの存在。ライブ自体にバリエーションと緩急を持たせることができる上に、メンバーの努力と成長が分かりやすく反映されるという観点からも、グループ初期から組まれているのかもしれない。また、乃木坂46においては今年で結成10周年。4期生のみでの「渋谷ブルース」や大園と遠藤の「友情ピアス」は、また新たなタームに入ったと見ることもできるだろう。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter:https://twitter.com/AKI_W_

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