THE RAMPAGE『Mステ』出演の見どころ 「SILVER RAIN」はグループの“再起動”を象徴するパフォーマンスに

 そのほかにも、元々のグループカラーである黒が反転するように白へと切り替わるMVでの映像表現は、彼らがこの1年の間に新たな一面を手に入れて帰ってきたことの象徴であるようにも感じられる。さらに、歌詞の中にある〈約束の場所〉というフレーズからは、デビューシングル曲「Lightning」における〈僕らなら辿り着ける/約束の場所へ〉という歌詞が連想される。まるで、あの曲に込められたメジャーシーンへと挑む決意や勢いが、「SILVER RAIN」によってまた新たな決意に更新されたかのように。

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE / Debut Single「Lightning (Music Video) 」

 このようにして、この作品はおそらく、彼らを深く知れば知るほど見えてくるものがある。掘り下げれば他にも発見があるかもしれない。

 ボーカルラインについても言及すると、静かな迫力を感じさせる川村壱馬のラップもさることながら、一番のキーマンは吉野北人であるように思う。この曲のクールでソリッドな質感には、中性的で透明感のある彼の歌声が全編でマッチしている。特にCメロの吉野から始まり、RIKUの中音、川村の低音のパートで積み重ねられた情感を、吉野の高音がサビへと渡していく流れは象徴的だ。最もレンジが広くパワフルなRIKUが対照的な存在感を醸す二人を巧みに繋ぐという点からしても、実に3ボーカルらしい構成となっている。

 展開の多い楽曲であるためテレビサイズでどう短縮されるかは予測しづらい。それでも一番の見どころは言わずもがな、高難度かつ一糸乱れぬ圧巻のフォーメーションだ。16人という大所帯を大いに生かした、MVさながらのパフォーマンスが観られることを楽しみにしよう。そして、なるべく広いステージを用意してくれることにも期待しよう。

■日高 愛
1989年生まれの会社員。

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