ヒトリエ、indigo la End……バンドにしかできない表現突き詰めたアーティスト 新譜5作をピックアップ

四星球『ガッツ・エンターテイメント』(完全限定生産ボックス)
四星球『ガッツ・エンターテイメント』(完全限定生産ボックス)

 〈悩みがあれば 僕をごらんよ/大抵の悩み バカバカしくなるよ〉(「トレジャーハンター」)。コミックバンドであることを自認し、プライドを持って活動してきた四星球の姿勢をわかりやすく示したこのフレーズから、本作『ガッツ・エンターテイメント』は幕を開ける。関わりのあるバンドマン、ライブハウス関係者、イベンターなど総勢100名以上がコーラス参加した「ライブハウス音頭」、ビクターロック祭りに捧げた「名犬ニッパー・ドッグンロール」、フラワーカンパニーズの名曲を大胆にパロった「早朝高速」、“予想していなかったことも楽しみながらやっていこう”と聴く者を鼓舞する「おもてたんとちゃう」。大笑いし、ときに涙がしながら、聴き終わったときには“いろいろあるけど、まあ、やるか”と思える。コロナ禍をタフに生き抜く、四星球にしか実現できないエンタメがここにある。

四星球 NEW ALBUM「ガッツ・エンターテイメント」 全曲トレーラー
Seven Billion Dots『HOPE』(通常盤)
Seven Billion Dots『HOPE』(通常盤)

 デビュー曲「Stay With Me」(TVアニメ『GRANBLUE FANTASY The Animation Season2』オープニングテーマ)、シングル曲「Maybe I」(TVアニメ『BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS』エンディングテーマ)を含むSeven Billion Dotsの1stフルアルバム。「HOPE」とタイトルされた本作には、硬質なギターサウンドと解放感に溢れたメロディを軸にしたポジティブソング「Dive!!」、キャッチーなギターリフとともに突き進むロックチューン「What Was That!?」、〈“ 希望 ”も居場所もここにある〉と真っ直ぐに歌うタイトル曲「HOPE」などを収録。生楽器とエレクトロを自然に融合させた音像、英語と日本語を織り交ぜたリリックなど、自らの独創性をポップに描き出している。Masafumi(Vo)のボーカルもきわめて魅力的。ネイティブの英語の発音、歌を丁寧に紡ぐ表現力を内包したスタイルからは、邦楽・洋楽の壁を超えるポテンシャルがはっきりと感じられる。

Seven Billion Dots 1st Album「HOPE」 Trailer

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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