SARD UNDERGROUNDが受け継ぐ坂井泉水の遺伝子 “ZARDチーム”集結した新曲「ブラックコーヒー」から始まる新たな物語

SARD UNDERGROUND受け継ぐZARDの遺伝子

 初回限定盤A・Bには「来年の夏も」(アルバム『OH MY LOVE』)、通常盤には「遠い星を数えて」(シングル『風が通り抜ける街へ』)と、カップリングにはZARDのカバー曲が収録されている。神野のボーカル、その表現の違いに注目して聴いてみてほしい。

 声の芯、抑揚、ブレス使い……すべてが、オリジナルとカバーではまるで異なる。いかに神野が、ZARDの楽曲を忠実に、敬意をもって歌ってきたかが分かる。ZARDという、あまりに偉大な存在を前に「似せている」「意識しすぎている」といった、厳しい見方もあっただろう。トリビュートバンドの宿命だ。

 神野はかつて、ZARDの楽曲をカバーするにあたり「あくまでZARDの楽曲を伝える“架け橋”として歌っている」と話していたことがある(YouTubeチャンネル『WEZARD TV petit』より)。神野自身、ZARDを心から愛するひとりだ。ボーカリストの命ともいえる「個性」を消し、ZARDを後世に伝えるという大きな役割と真摯に向き合ってきた。ZARDを愛するファンの想いごと、背負う覚悟で歌ってきたのかもしれない。

 3rdシングルにして初めて「自らの言葉」を歌う神野のボーカルを、“神野友亜”としての表現を聴いたことは、バンドとしての新たな魅力を知ることはもちろん、SARD UNDERGROUNDの「ZARDへのリスペクト」をより一層感じられる機会にもなった。

 なお「ブラックコーヒー」は、ショートアニメ番組『おかしなさばくのスナとマヌ』(テレビ愛知、関西テレビにて2月13日スタート)の主題歌に起用。また、通常盤のみ収録の「遠い星を数えて」は、2月11日放送開始のMBSドラマ特区『西荻窪 三ツ星洋酒堂』エンディング主題歌として、SARD UNDERGROUNDとして初のドラマタイアップが決定している。

 2021年2月10日、敬愛するZARDのデビューから遅れることちょうど30年。SARD UNDERGROUNDが、大きな一歩を踏み出す。

■新亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter

■リリース情報
SARD UNDERGROUND
3rd SINGLE『ブラックコーヒー』
2021年2月10日発売

【初回限定盤 A】CD+DVD
<収録曲>
1. ブラックコーヒー(『おかしなさばくのスナとマヌ』主題歌)
2. 来年の夏も
3. ブラックコーヒー(off vocal)
4. 来年の夏も(off vocal)

<特典 DVD >
『ZARD tribute II』MV 撮影メイキング映像

【初回限定盤 B】CD+Photo ブックレット 28P
<収録曲>
1. ブラックコーヒー
2. 来年の夏も
3. ブラックコーヒー(off vocal)
4. 来年の夏も(off vocal)

【通常盤】CD
<収録曲>
1. ブラックコーヒー
2. 遠い星を数えて(MBSドラマ特区『おかしなさばくのスナとマヌ』主題歌)
3. ブラックコーヒー(off vocal)
4. 遠い星を数えて(off vocal)

<全形態共通封入特典>
SARD UNDERGROUND “ブラックコーヒー”Special Message Movie ダウンロードシリアル
全員ver.+個人ver. の全5種からいずれか1種をダウンロード

■作品情報
『おかしなさばくのスナとマヌ』
放送日時:2021年2月13日(土)より毎週土曜日 深夜3:20~(全50話)
放送局:関西テレビ「音いたち」内、テレビ愛知「キャラ@声部」内 他
配信:GYAO、Locipo(ロキポ)にて見逃し配信
公式Webサイト
公式Twitter

■関連リンク
SARD UNDERGROUND Official Website
SARD UNDERGROUND Official YouTube Channel

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