BALLISTIK BOYZ、世界的プロデューサー迎えた『Animal』 ダンス&ボーカルのスキルが詰まった充実のシングルに

 本作はカップリング曲もバランス良く充実している。まず2曲目に収録された「Life Is Party」はファンキーでポップなパーティーチューン。ポジティブなメッセージに溢れた詞の軽妙な語感がタイトル通りのノリを感じさせる一方で、冒頭の日髙による印象的なフェイクに始まり、グルービーな音色のインパクトに見劣りしない卓越したボーカリングが細部に光っている。MC陣のスキルについても海沼の〈思いのままに〉〈踊ろう一緒に〉の合いの手や中盤で畳み掛けられるラップパートで遺憾なく発揮されており、相乗的に楽曲を盛り上げる。リード曲だとしても遜色ない聴き応えある1曲だ。

BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE「Life Is Party」

 続く3曲目には、かねてよりライブで披露され話題を呼んでいた海沼、奥田、松井らMC陣によるドープなヒップホップチューン「HIGHWAY」を収録。オリエンタルな響きが特徴的なトラップサウンドにはP-CHO(DOBERMAN INFINITY)やJAY'EDといったLDHアーティストが作曲陣として携わっており、また詞についてはメンバーそれぞれが各自のパートを担当。各々が得意とする英語、中国語、ポルトガル語など多言語を取り入れた詞は、堂に入った細かな韻の踏み方や〈愛するFamilyならBBZ〉といったパンチラインの残し方など、随所にヒップホップ愛が感じられるフレーズが満載。それぞれにスタイルが異なる3人の魅力がじっくりと堪能できる硬派な1曲だ。

BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE「HIGHWAY」

 さらに本作には、先だってJr.EXILE名義でリリースされた「WAY TO THE GLORY」のBALLISTIK BOYZ ver.も収録。EXILE TRIBEらしいポップソングである同曲が収録曲として加わることで、他の3曲における彼らの個性と魅力がより引き立つような印象となった。

 海外ファンや耳の早い洋楽リスナーも意識した本格的なブラックミュージックをメインに据えつつ、趣の大きく異なる4曲をバランスよく配置した『Animal』は、彼らの歌唱力と表現力を多方面から引き出した意欲作だ。今作によってBALLISTIK BOYZというグループの魅力がさらに世に知らしめられ、彼らを新しいステージへ押し上げることを期待したい。

■日高 愛
1989年生まれの会社員。

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