新生w-inds.のパフォーマンスはどう生まれ変わった? 「Beautiful Now」自由度の高いダンスが広げる可能性

 トリオのグループは一般的に横並びかV字、逆V字の立ち位置で踊ることが多く、w-inds.の場合はライブアレンジなどの例外もあるが、橘を中心としたトライアングルが彼らのパフォーマンスを印象付けてきた。今作では千葉と橘が背中合わせになったり、2人の身長差を活かした組み技を見せているほか、verse2冒頭で1人ずつがダンサーを2組に分けて従え、それぞれがメリハリをつけて世界観を表現するなど、より立体的に進化したフォーメーションで魅了している。

 もちろん何もかもが一新されたというわけではなく、たとえば千葉が橘より一歩下がった立ち位置で踊るパートにはトリオ編成の名残りが感じられる部分もあり、従来のw-inds.らしさに思いを巡らせるw-inds. crewもいるのではないだろうか。

 トリオのアンサンブルを重視した形から、メンバー2人を中心にしつつも自由度の高い(これが表現として適当かはわからないが)“フリーアドレス”的な形へと生まれ変わったw-inds.のパフォーマンス。現状、新体制で発表されているのがこの1曲のみであり、コレオグラファーによっても当然変化が生まれるものと考えられるが、スケール感溢れるサウンド面同様に、パフォーマンス面でも彼らの新たな可能性や広がりを感じさせるエポックメイキングな仕上がりになっている。

 来年3月14日にはデビュー20周年を記念したベストアルバムのリリースが決定しているw-inds.。デビュー以来、常に攻めの姿勢でシーンと対峙してきた彼らが、今後どのように進化と変貌を遂げていくのか、気になるところだ。

■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。

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