THE ALFEEが語る、2020年に作品と活動で繋いできた“希望” 相次ぐリリースから配信番組まで、その歩みの中で得たもの

THE ALFEEに聞く、2020年の歩み

THE ALFEEのトークにも歴史あり!3人で挑戦した配信番組

坂崎幸之助
坂崎幸之助

ーー配信番組『Come on! ALFEE !! ~LIVE & チャット & 生トーク~』も拝見しましたが、非常に楽しい内容でした。こちらはどのようなお気持ちで臨みましたか。

高見沢:今年は無観客ライブはやりましたけど、コンサートは一本もできませんでした。僕らはずっと40年以上ツアーをやってきて、地方に行って、みなさんの前で歌って、そこで長年かけて作ってきた絆があるんですよね。だから、それを違う形で持続させないといけない。今の時代は配信ができますから、僕らのもう一つの武器であるトークを最大限生かすということで思いついた番組です。非常にラフに見えますけど、一応台本も作ってますからね。細かい小ネタなんかも一応ありますから(笑)。

ーーファンの方から募集した川柳を紹介するなど色々ありましたね。

高見沢:そうですね。ラジオ番組的でもありテレビ番組的でもあるというか。

ーーインターネットとも相性がよさそうなコンテンツだと感じました。

高見沢:チャットでみなさんの反応がすぐ感じられますから、そういうところも今の時代に合っているなという感じがしました。ネットやチャット、僕らに一番遠いものだと思っていたのですが、意外とTHE ALFEEには合うんだなというのが新しい発見でもありましたね。

ーーゲストとして30年以上のお付き合いだという夢番地の方の登場もありました。

高見沢:地方のイベンターのみなさんには、THE ALFEEをブレイクさせる力になってもらいましたからね。

ーーあの番組フォーマットは、コロナが仮に落ち着いたとしても継続できそうです。

高見沢:コロナが収まってツアーが始まったとしても、定期的にやっていこうかなと思いますが、まだハッキリしたものは決まっていません。

ーー映像を見ながら、プログレやハードロックの話など、音楽についての背景もお話になっていましたが、ああいうものもいいですね。

坂崎:これまでもラジオはありましたけど、映像もありで3人揃って2時間たっぷり話すというのはあまりないことなので、ファンの人も喜んでくれていると思います。自分たちの良いところをこれだけ表現できる番組はなかなかないですね。

高見沢:配信でファンになってくれた方もいるみたいですね。あとはYouTubeなどの動画を見て興味を持って、「あ、この人たち歌も歌うんだ」って思って歌を聴いたら意外といい、みたいな(笑)。

ーーご家族で聴いてらっしゃるとか、そういう方も多いですよね。

坂崎:今はネットのコンテンツがいっぱいあって入口が増えているので、そこはTHE ALFEEにとっては活用しない手はないですね。僕ら自体も入口が多いですから。笑いもあり音楽もあり。

高見沢:でも最初から出来たわけでもないよな、お笑いは。

桜井:そりゃそうだよ!

坂崎:徐々にだね。コントみたいなのはやってたけど、そこまで洗練されてない……洗練って言い方おかしいけど(笑)。一生懸命、高見沢が台本を作ってね。ステージでもコントをやったことがあるんですけど……。

高見沢:昔は空回りしてた感じだね。

坂崎:そうそう。まだかっこつけてたところがあったんだよね。

高見沢:3人で割烹着を着てライブのオープニングをやったこともあったな。カスタネット持って(笑)。なんであんなのやったんだろう?

桜井:お前がやろうって言ったんだろ(笑)。

高見沢:そんなことばっかりやってたよね。

桜井:テレビに出る時も歌じゃなくて、昔はコントばっかりだったんですよ。大阪にキャンペーンで行った時もやすきよ(横山やすし・西川きよし)さんと幼稚園児の役でコントもやったし。

ーーみなさんのトークにも歴史あり、ということですね。

坂崎:そうですね、だからこっちがこう出たらあっちがこう来るっていうのは、やっぱり長年の積み重ねですね。昔はそんなになかったですよ。決め事とかではできたけど、阿吽の呼吸で「あ、こいつこうくるな」とか「こうふったらこう返してくれるな」っていうのはなかなかね。

高見沢:長年やってきた感覚だよね。修練の賜物!(笑)。

坂崎:今それが花開くって感じ。

桜井:もちろん音楽をちゃんとやっているからですけどね。そこが中途半端だったら面白くもなんともない。

坂崎:今考えると、いつも僕らって逆境を逆手にとってやってきたんですよ。そういう意味では、このコロナ禍もネットやSNSの時代に、たくさんの方が僕らの動画や配信を見てくれたりしてますから。この間、ファンになって5日っていう子がいたんですよ。その子がTwitterに僕らのことを書くと、先輩たち(ファン)がみんなコメントをくれるんですって。そういうことができるという点でも向いてるんだなって。

高見沢:昔からファンの方には「一人ひとりがプロモーターだ」っていうことを植えつけてきましたからね(笑)。

坂崎:自分らが言わなくてもやってくれるっていう(笑)。

ーーそれはTHE ALFEEのファンの方の特徴かもしれません。

高見沢:自分たちよりも歌詞知っていますからね(笑)。イントロクイズやったら負けるよ。

坂崎:負けるねぇ(笑)。

ーー楽しいお喋りという部分でいうと、若手のミュージシャンの中には寡黙な方も少なくない中、大ベテランのみなさんが楽しくやってらっしゃるのもすごく素敵だと感じました。

桜井:僕らも一度も喋らないで歌だけでやろうか、なんてやったこともあったしね。いろんなことをやって、結果的に今の形が一番やりやすいってことです。

高見沢:伝わりやすいしね。短時間のコンサートで僕らの良さをどこで見つけるかって、人それぞれ違うじゃないですか。だから最大限フルスペックで表現した方が伝わるんだなっていうのが、40周年超えたあたりから認識してきましたね。そうやって40年経って気が付いたこともありますよ。長くやりゃいいってもんじゃないけど、長年やるとそういうところが見えてくるっていうことかなぁ。最初は僕らだって寡黙……でもないか(笑)。でも年齢は人を変えていきますよね。僕らは活動停止もせず、地道にやってきて、今になってその続けてきた効果が出てるんじゃないですかね。音楽性なんてプロになったらそんなに変わらないけど、やっぱり違ってくるのはそれぞれの人間性なんじゃないですか。音楽性の前には、まずは人間性が必要だと僕は思っていますからね。

ーー坂崎さんは、年を重ねる中で変化したと感じることはありますか?

坂崎:根本に流れているものは変わってないなと思いますね。特にこの3人でいると出会った学生時代のまんま来てる感じはします。

桜井:3人でいると年齢を意識する必要がないんですよ。だからテレビで「65歳以上の高齢者の方」とか言われてるのを聞くと「え、俺入ってんじゃん!」って(笑)。そういうところでふと思うだけで、3人でいると関係ない。

坂崎:普段も年齢はあまり意識しないですね。ギターを弾いたり音楽をやっていると全然感じない。例えば30歳くらいの子と一緒にセッションしたりしても、三回りも違うと思えないよね。向こうは思うかもしれないけど。

桜井:ムッシュかまやつさんなんかはそういう感覚を持っていたのかもしれないよね。

坂崎:うん。今だからこそその感覚が理解できるな。

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