King Gnuが見せつけた、熱量剥き出しのロックバンドとしての佇まい 時代を根から揺らす初武道館ワンマンをレポート

King Gnu、時代を根から揺らす初武道館

King Gnu

 こんなバンド、他にいるだろうか。本編ラストに演奏された「Flash!!!」はライブで何度も演奏されてきた曲だが、いつ観ても刺激的だ。サンプリングパッドを駆使しながら勢喜遊(Dr/Sampler)が放つビートは一聴すると無定形だが、新井のベースや常田のギターがそこに絡むうちにテンポが生まれ、イントロへとなだれ込む。目が眩むほどの激しさで照明が明滅するなか、ときにはユニゾンで、ときには掛け合いで、声を張り合うツインボーカル。エキセントリックな音色のギターソロ。アウトロではもう一山生まれそうな雰囲気にもなる。最後まで何が起こるのか分からない空気を漂わせながら、振り返らずに、走り抜けるように本編を終える。アンコールを含めても演奏時間は2時間弱という潔さ。客席に取り残された私たちの手元には、やはり「今、すごいものを目撃している」という実感、「近い将来、もっとすごいものを目撃することになる」という予感が余韻とともに残る。私たちはとんでもないバンドとともに生きている、という高揚と畏怖が。

King Gnu
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常田大希(Vo/Gt)
勢喜遊(Dr/Sampler)
井口理(Vo/Key)
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常田大希(Vo/Gt)
勢喜遊(Dr/Sampler)
井口理(Vo/Key)
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 乗りに乗っているこのバンドの前にも、武道館の魔物は例外なく現れ、途中には常田のギターの音が出なくなる場面もあった。しかし勢喜と新井が即興セッションで繋いでいる間、いつの間にかギターも復活。4人揃って次の曲に臨んだ。トラブルをトラブルと感じさせないナチュラルさ、鮮やかさにも、このバンドの「まだ化けそう」という余裕、底知れなさが表れていたように思う。規格外でありながら時代を根から揺らす、このバンドの凄まじさを見せつけられたのだった。

King Gnu

■蜂須賀ちなみ
1992年生まれ。横浜市出身。学生時代に「音楽と人」へ寄稿したことをきっかけに、フリーランスのライターとして活動を開始。「リアルサウンド」「ROCKIN’ON JAPAN」「Skream!」「SPICE」などで執筆中。

■見逃し配信情報
『King Gnu Live Tour 2020 AW “CEREMONY” Tour Final in Makuhari Messe』
見逃し配信期間:見逃し配信公開から~12月8日(火)23:59まで
※見逃し配信公開までは、 しばらくお時間をいただく場合がございます
チケット販売期間:12月8日(火018:00まで
チケット料金:3,500円(税込)
チケット販売ページはこちら

■放送情報
M-ON! LIVE King Gnu『King Gnu Live Tour 2020 AW “CEREMONY”』
放送日時:12月26日(土)20:00~22:00
『King Gnu Live Tour 2020 AW “CEREMONY”』から11月25日の日本武道館公演をMUSIC ON! TV(エムオン!)にて独占初放送

King Gnu『三文小説 / 千両役者』
King Gnu『三文小説 / 千両役者』

■リリース情報
Double A Side NEW SINGLE 
『三文小説 / 千両役者』
発売ゆう
【Blu-ray Disc付き初回生産限定盤】3900円+税 BVCL 1110 / 1111
【通常盤】1000円+税 BVCL 1112 

<CD収録内容> ※初回・通常共通
01.三文小説(日本テレビ系 土曜ドラマ『35歳の少女』主題歌)
02.千両役者(NTTドコモ 5G「希望を加速しよう2nd篇」CMソング)

<初回生産限定盤 特典Blu-ray Disc
King Gnu Live Tour 2019 AW 2019. 10. 22 日比谷野外大音楽堂(約90分収録

■配信情報
「三文小説」
ダウンロード / ストリーミングはこちら

「千両役者」
ダウンロード / ストリーミングはこちら

King Gnu 公式HP

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