NiziU、リスナーの心に寄り添う応援歌「Step and a step」 『ベストアーティスト』での堂々たるステージングを見て

 歌い出しを担ったRIOは、ハツラツとした笑顔からしっとりとした眼差しまで、ハッと目を留めさせる多様な表情をみせた。ソロパートにおいてカメラに向かいウィンクを決めたMAYAからは、しなやかでリラックスした身のこなしからもステージを楽しむ気持ちが伝えられた。またブリッジ部分ではAYAKAの柔らかで素朴な笑顔と歌声が視聴者の心を和らげ、その愛らしさが頬を緩ませる。ボーカルのフックポイントで持ち前の美しく澄んだ歌声を力強く響かせ、頼もしさをみせたのは末っ子のNINA。前作に続いてメインコーラスを任されたRIKUは、その凛とした歌声とナチュラルな笑顔で全体を華やげた。落ちサビ後の勢いを加速させるのはRIMAのラップ。そのエッジが効いたキャッチーな歌声には、彼女だけのオリジナルな煌めきが映し出される。オーディション中に初挑戦したとは思えないほどすっかり板についたラップをみせたMAYUKAは、ボーカルパートでも安定した歌声を聴かせた。そして、パフォーマンスの中核となりグループにエネルギーと調和をもたらせたのはリーダー・MAKO。メインコーラスにおいてポイントとなるステップの振り付けをパワフルに印象付けながらも、目映いばかりの明るい表情で、楽曲のもつ前向きな歌詞のメッセージをカメラの向こうへ届けた。

 デビュー直前のフレッシュな輝きとともに、堂々たるステージングを披露したNiziU。コロナ禍ともあり、オーディション中から現在に至るまで未だオーディエンスを目前としたパフォーマンスが叶っていないながらも、お互いの関係性を着実に深めつつ、グループとしての表現力に磨きをかける彼女たちの船出がより幸せに包まれるよう今後もあたたかく見守りたい。

■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter

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