TWICEが進める勇敢な創作の歩み “これまで”と“今”が描き出された近作『Eyes wide open』『BETTER』から考える

 最新作である日本シングル曲「BETTER」は、そんな今のTWICEだからこそ伝えられるメッセージが込められた一曲だ。

TWICE 「BETTER」 Music Video

 ラップパートでは昨年リリースされた「Feel Special」の歌詞が引用されているほか、MV内には背景に彼女たちがこれまでにリリースした楽曲のコンセプト写真が映し出されているなど、『Eyes wide open』にも描かれていた“これまでのTWICE”が引き継がれている上で、そこにはしっかりと“今のTWICE”の姿が提示されている。

 「会いたいけど会えない、でも繋がっている」という現在の状況をそのまま主題に据えた本楽曲は、ジヒョが「コロナによってファンの皆さんに会えない時だからこそ出来上がったこの曲は、歌詞にある“向かい風 力に変えて”(というメッセージ)が表れているんじゃないかなと思います」と語っているように、グループの直面している状況や置かれた立場を表現という“力”へ昇華させようとするTWICEらしい意志を誠実に伝える応援歌だ。「BETTER」で歌われる〈BETTER まだまだいける〉、そしてそのカップリング曲「Scorpion」で歌われる〈物語は続くの〉というフレーズのとおり、彼女たちが進める勇敢な創作の歩みは、今後も世界中のファンの心に前向きな風を吹かせ大きな力と希望を与えるだろう。

TWICE JAPAN 7th SINGLE『BETTER』発売記念イベント

■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter

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