山下智久、ジャニーズ退所に寄せてーー活動の可能性や選択肢を広げた変遷を辿る

グルーブの枠を超えた活動

 山下の活動では、コラボレーションも特徴的だ。2005年に160万枚のミリオンヒットを飛ばした「青春アミーゴ」。ドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)劇中の役名・修二と彰名義でリリース。2011年には、安室奈美恵 feat. 山下智久として「UNUSUAL」を、翌2012年にはThe MONSTERS名義で香取慎吾との「MONSTERS」をリリース。

 事務所内に留まらない、人気アーティストとのコラボ展開は山下だからこそ実現したのだろう。ドラマ出演から主題歌起用に加えて、劇中を飛び出して発展をみせた。グループを跨いだ活躍、枠にとらわれない挑戦は、後輩たちにとっても可能性や選択肢を広げてくれたはずだ。

 修二と彰誕生から15年の月日を経た今年、再び亀と山P名義の活動といったコラボの話が出たように、この先20年、30年とどんな風に歳を重ね、どんな歌を聞かせてくれるのか。楽しみにしていただけに予定していたステージを一目観たかったのが本音だ。

 今後はウィル・スミスの日本での活動の窓口を担当しているマネジメント会社を拠点に、海外での活動をスタートさせる。日本で積み上げてきたキャリアを手放すことについては勇気が要っただろう。

 自粛期間は3カ月間を予定していたという情報も伝えられたが、真偽のほどはわからない。SNSでも、応援する声の一方で、厳しい意見が寄せられているのも事実だ。それも重々受け止める覚悟の上での決断であろう。「幸運の女神には前髪しかない」と言われるように、どれだけ願っていてもチャンスはそう簡単に巡ってくるものではない。この機会を足がかりに、どんな道を歩むのか。24年間のアイドル活動を経て訪れた転機。35歳、新たなスタートを切った。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

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