origami PRODUCTIONSアーティストが一堂に会したスペシャルな一夜 “セッションの素晴らしさ”を感じた配信ライブレポート

origami PRODUCTIONS、配信ライブレポート

 関口とmabanuaに、Shingo Suzukiとキーボードの村岡夏彦が加わって、トリを務めるのはやはりOvall。至高のグルーブを聴かせる名曲「Take U To Somewhere」に続いては、最新作『Ovall』収録曲の中で最もセッションの熱気を感じさせる「Dark Gold」を披露。オリジナルはロイ・ハーグローヴへのリスペクトでトランペットをフィーチャーしているが、この日は関口のソロや村岡のオルガンソロを交え、アシッドジャズやネオソウルの要素も織り込んだまさにOvallらしい素晴らしい演奏を聴かせてくれた。

Ovall
関口シンゴ
mabanua
Shingo Suzuki
村岡夏彦
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Ovall
関口シンゴ
mabanua
Shingo Suzuki
村岡夏彦
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 ラストはこの日の出演者が全員集まって、InterFM897の企画でSTAY HOME期間中にリレー形式で作られた楽曲をライブバージョンで初披露。これがコロナ禍の憂鬱を吹き飛ばすかのようなパーティーチューンで、すぐにでも音源化を期待したい。そして、締め括りは昨年の『origami SAI』同様、『laidbook01 The BEGINNING ISSUE』に収録されているorigami PRODUCTIONSの原点とも言うべき一曲「I Only Want You」が演奏され、特別な一夜が幕を閉じた。

 途中でShingo Suzukiが話していたように、オンラインライブにはオンラインライブならではの楽しみ方があるし、曲作りもリモートで行うことはできる。しかし、そんなタイミングだからこそ、ミュージシャンが顔を合わせてセッションをすることによって生まれる熱気と、それを同じ空間で体験することの重要性についても、今一度再認識するべきだと言えよう。例えば、King Gnu/millennium paradeや、その周辺のアーティストにセッションカルチャーを通過したプレイヤーが数多くいるのは事実で、それはorigami PRODUCTIONSの面々が受け継いできたカルチャーが花開いたものだと言っても決して過言ではないはず。そんなことを感じさせるような、意味のある一夜だったように思う。

■金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『ナタリー』『Real Sound』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』『bounce』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。

■セットリスト
『origami PRODUCTIONS ONLINE SESSIONS ~LIVE LOVERS~
from Billboard Live supported by CASIO』
10月22日(木)Billboard Live TOKYO

1. Gonna Be Good
2. Be (Vis ta Vie)
3. Satellite Lovers
4. My Girl
5. Stars In Your Eyes
6. Reasons
7. Voices
8. Breakdown
9. North Wing
10. Tender Rose
11. Heartbreak at Dawn
12. Take U To Somewhere
13. Dark Gold
14. untitled
15. I Only Want You

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