SIX LOUNGE、ロックンロールに込めた“荒々しさと包容力” 新曲も披露した地元・大分T.O.P.S Bitts HALL公演レポート

SIX LOUNGE、地元大分ワンマンレポ

 「わりとみんな微笑ましそうに観てる、お母さんみたい」とユウモリがフロアの感想を述べると、唐突にリクはなぞかけにトライし、そのグダグタぶりにユウモリが苦笑する場面には笑わせてもらった。場の空気もすっかり和むと、ここから一気にモードは切り替わる。開放感漲る「23歳」を皮切りに「愛の荒野」「LULU」「トラッシュ」「うるせぇ」「ピアシング」と急斜面を豪快に駆け上がる暴走ロックンロールを展開。シンタロウは荒々しいコーラスで参加しつつも野性的なビートを刻みつけ、バンドの加速装置としての役割をしっかり担っていた。また、〈今夜は俺らについて来い〉〈俺らがやんなきゃ誰がやるんだ〉(「トラッシュ」)の男気溢れるフレーズに多くの人が熱く胸を焦がされたことだろう。

 「久々にびしょびしょ、気持ちいいですね。これからも大分でやりますんで、よろしくお願いします。あとは大声で歌える日を待つばかり。早くそうなってくれれば」とユウモリが語ると、「夢みた君が大好きだ」を披露。「この歌があればきっと大丈夫さ」の歌詞も現在のコロナ禍で聴くと、また違った響きを帯び、悠然としたメロディに心を吸い寄せられた。

ナガマツシンタロウ

 本編を「僕を撃て」で締め括ると、アンコールでさらに4曲追加する大盤振る舞い。しかもその中には新曲も含まれており、「トゥル、トゥル」とキャッチーなフレーズを配したエネルギッシュな曲調にテンションは上がりっぱなしで、早く正式音源で聴いてみたいと思わせる良質曲であった。ラストはこの日2回目になる爆裂ロックンロールナンバー「トラッシュ」でクロージンズとなり、全22曲に及ぶワンマンライブは終了。

 序盤はメンバー自身も「緊張」の言葉を口にしていたけれど、曲が進むにつれて「豪放」の二文字に切り替わり、突き放すような攻撃力と寄り添うような包容力まで魅せ付けたワンマン。ロックンロールの新時代を華やかに彩るのは彼らしかいない。パフォーマンスを通して、その思いをより一層強くしたのだった。

■荒金良介
99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。メタル/ラウド/パンク/ミクスチャーなど激しめの音楽を中心に、雑誌/WEBを軸に書いてます。今年、自分が音楽を聴くきっかけになった漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦先生に六本木で偶然すれ違い、心臓が飛び出るほどビックリしました。その昔、荒木先生が少年『ジャンプ』の作者一言コメント欄で、レッド・ツェッペリンをお薦めしてて、それをきっかけに今では音楽ライターをやっています。人生はわからないものです。

SIX LOUNGE 公式HP

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