SEVENTEEN、高い身体能力と表現力でリードするパフォーマンスチーム HOSHIによるユニークな振付とフォーメーションに注目

 なかでも、パフォーマンスチームのメンバーは、高い身体能力と表現力で全体をリードしていく。中国メンバーのJUNはもともとK-POPへの憧れが強く「中国と韓国で愛されるアーティストになりたい」という夢を語っていた(参照:Kstyle)。それゆえに誰よりも、パフォーマーとしての魅せ方を知っている。顔の角度ひとつから、指先に至るまでのシルエット、ジャンプしたときの足先……と、どこから見られても抜かりのない完成度の高さだ。

[M/V] SEVENTEEN(세븐틴) _ SVT PERFORMANCE TEAM - '13월의 춤'

 同じく、中国メンバーのTHE 8(ディエイト)も「小さいころからスーパースターになりたかった」という自己研鑽を欠かさない1人(参照:Kstyle)。ステージ経験を重ね、ブレイクダンスや武術にも長けている。そんな強さを持つからこそ、THE 8の動きはよりソフトに進化を遂げた印象だ。身体を速く自在に操ることができる余裕から生まれる、余韻たっぷりの動き。顔をサッと動かすのか、頭を残して残像を描くように動かすのか。そんな小さな動きにも彼の品が垣間見える。

[Choreography Video] 徐明浩 THE 8 - Dreams Come True

 そしてSEVENTEENのマンネ(末っ子)でもあるDINOは、両親がダンサーというサラブレットだ。幼少期から父が経営するダンススクールで見学してきたDINOは、マイケル・ジャクソンをリスペクトし「Billie Jean」を真似しながら、骨盤を動かす練習をしていたという。SEVENTEENのYouTubeチャンネルには、DINOが踊る「DINO’S DANCEOLOGY」シリーズも。体重を感じさせない軽やかなステップなど、ダンス好きなら胸躍ること間違いなしの動画なので要チェックだ。

[DINO'S DANCEOLOGY] Chris Brown - Undecided

 改めて振り返ると、「自主制作アイドル」SEVENTEENの強みは、他ならぬ自分たちが表現したいものを歌い、踊っているということに尽きる。作品一つひとつの中に、彼らの訴えたいものが刻まれている。ヒットのための作品ではなく、作品ありきでヒットがついてくるのだ。

 インターネットが身近になり、誰もがセルフプロデュースできるこの時代。可能性が広がる反面、自分が何をもって世界に価値をもたらすのか迷い多き時代とも言える。そのなかで、SEVENTEENのように、才能溢れるメンバーが13人も集まり、その多様性を活かしながら作品を生み出していくというのは、大きな希望ともいえる。これからもSEVENTEENは、決して踊らされることなく、自分たちのステージを創り上げていく。

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