JO1、ATEEZ、Stray Kids……ボーイズグループで“ヤンキー”コンセプトが取り入れられる背景

 Stray Kidsが9月14日に発売するリパッケージアルバム『IN生 (IN LIFE) 』の中から、収録曲が続々と先行公開されている。「Any」の予告映像では、夜の街でワイルドなスタイリングのメンバーが車に乗って縦横無尽に駆け回っており、攻めたサウンドからも、Stray Kidsらしい型破りなイメージが垣間見える。同アルバムでは、メンバーが自主制作した楽曲も収録されるということで、Stray Kids流のクールなコンセプトやメッセージ性にさらなる説得力を持たせている。韓国にとどまらず、日本での活動も精力的に行なっていることからも、その個性はアジアを中心にアピールされていくだろう。

Stray Kids <IN生> UNVEIL : TRACK "아니 (Any)"

 “ヤンキー”をコンセプトとして組み込むことは、反抗することで「自分は自分」というメッセージを訴え、雄々しい一面などのアピールが可能だ。一方で、“ヤンキー”は肉体的な強さだけでなく、若さ故の失敗を受け止めきれないといった精神的な弱さも付随するため、二面性を見せられるコンセプトでもある。そのため、特に学校にちなんだ“ヤンキー”コンセプトになると、圧迫感を感じた背景が存在していることになり、視聴者にとっても、彼らの熱量や心情を想像することで、より心動かされることになるのである。

 最近では、緻密に練られたアイドルのコンセプト戦略も多く、表現方法はかなり多様化し豊富である。その中で、あえて“ヤンキー”コンセプトに挑戦することで、新鮮さやインパクトを与えることができる。また、今の時代では、反発する姿勢で同感を呼び起こすというよりは、フィクションであり一種のエンタメとして消化されているように感じる。そのため、楽曲やパフォーマンスだけでなく、ストーリー性という意味でも世界観を大きく支える役割を果たしているのである。最早、“ヤンキー”はパワーを示したり、自己主張の方法として用いられるだけではなく、男女問わず世界観の幅を広げられることからも、グループの魅力を表現できるコンセプトとしての可能性を感じさせるものになっている。

■momotoxic
ブロガー。自称”楽曲派”。Twitter:@momotoxic1006

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