NiziU RIO、厳しい課題を乗り越えチームの原動力に 美しいパフォーマンスの内側で燃やす野心

NiziU RIO、チームの原動力に

 その後、韓国合宿への参加が決まってからも日々の自主練を欠かさなかったというRIO。個人レベルテスト「Lady」(Yubin)において指摘された歌唱力の不安定さを改善すべく地道な努力を重ねながら、自身の得意とするダンスにおいては他の練習生の指導にあたり「RIOちゃんがいなかったら私たちはここまでダンスを上手にすることが出来なかった(NINA)」という声が寄せられるような、チームの原動力とも呼べる存在となっていた。

[Nizi Project] Part 2 #1-1

 そしてオーディション終盤、チームバトルの「ICY」(ITZY)披露後にJ.Y. Parkから投げかけられたのは「今日踊った練習生の中でRIOさんが最高でした。僕のアドバイスをしっかり理解したのか、僕と繋がっている紐をしっかり掴んだまま感情を通わせて踊っていました。しかも今日は歌までも上手でした」という評価。与えられた課題を着実に理解し、たゆまぬ努力によってそれを乗り越えていったRIOに向けられるこの上ない賛辞だった。

[Nizi Project] Part 2 #8-1

 「ICY」パフォーマンス中には、それを見守る他チームの練習生からも「本当にこの曲が、RIOにめっちゃ合ってるなと思った(MAKO)」という声が上がっていたのだが、曲中の〈Icy but I'm on fire〉という歌詞はまさに、自律のもとに洗練された美しいパフォーマンスの内で野心を燃やす彼女の魅力を表すのにふさわしいフレーズであるようにも思えた。

 「実は不安でいっぱいだった」というオーディション中、他の練習生と宿舎で過ごしたかけがえない日々が心の支えになったことを明かし、「デビューしたら明るい世界が待っていると語り合った」「何年経ってもチームワークのいいグループにしていきたい」と語っていたRIO。与えられた厳しい課題を乗り越え、見事“新しい自分”、“輝いた存在”に繋がる道の第一歩を踏み出した彼女は、NiziUの活動においてもメンバーに力を与える頼もしい存在となるだろう。

■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter

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