ハイスタ、ENDRECHERI、aiko、ユニゾン……むらたかもめが選ぶ、2020年上半期サブスク解禁で賑わせたアーティスト

2020年上半期サブスク解禁で賑わせた1曲

ENDRECHERI「FUNK TRON」

ENDRECHERI「FUNK TRON」

 ジャニーズ所属アーティストとしては嵐に続き2番目のサブスク解禁となったENDRECHERI。KinKi Kids 堂本剛のソロ活動としての活動名義だ。作詞作曲は堂本剛が全曲行っており、歌だけでなくギタリストとして演奏にも参加している。アイドルの企画としてのソロ活動ではなく、本気で音楽と向き合い作品を作っているのだ。徹底的にファンクミュージックにこだわっていることも特徴。「FUNK TRON」もゴリゴリのファンク。しかしメロディはキャッチーで聴きやすい。そして高い歌唱力で歌うから聴き入ってしまう。堂本剛のミュージシャンとしての才能を感じて欲しい。

CAPSULE「レトロメモリー」

CAPSULE「レトロメモリー」

 Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅのプロデューサーとしても有名な中田ヤスタカと、こしじまとしこによるユニット。しかしPerfumeなどのテクノポップとは異なるイメージの楽曲が多い。現在のCAPSULEは細部まで作り込まれたコアなダンスミュージックが中心ではあるが、20年以上の活動の中では様々な音楽性を取り入れて変化と進化を続けてきた。デビュー初期の2000年代前半はシティポップや渋谷系の影響を感じる曲調に、ダンスミュージックとシンセポップの要素を取り入れている。それは現在とは違う音楽性ながらも個性的で魅力的。「レトロメモリー」も渋谷系の影響を感じる楽曲で、ボーカルもエフェクトがかかっていない。こじまとしこの優しく感情のこもった歌声を聴くことができる。中田ヤスタカの音楽を深く知るためにはCAPSULEを聴くことは必修科目だ。

氷室京介「ANGEL」

氷室京介「ANGEL」

 日本のロックシーンに多大な影響を残した大物。2016年でライブ活動を終了したものの、ずっとドームやスタジアムクラスの会場を埋めるロックスターでもある。My Chemical Romanceとコラボレーションするなど、海外のロックバンドとも交流し日本のロックを海外レベルまで引き上げたロックミュージシャンの1人でもあった。最近は表立った活動がなかったので、楽曲を聴いたことがない若いリスナーも多いかと思う。だからこそサブスク解禁されたこのタイミングで聴いて欲しい。選曲した「ANGEL」は30年以上前の曲だが魅力は色褪せない。メロディも歌声も素晴らしいロックのレジェンドとも言える曲だ。

RADWIMPS「風たちの声」

RADWIMPS「風たちの声」

 代表曲を集めたサブスク用のベスト盤のみ解禁されていたが、ついにメジャーデビュー後の全アルバムが解禁されたRADWIMPS。『君の名は。』や『天気の子』の音楽を担当したこともあり、老若男女に愛される日本を代表するロックバンドになった。楽曲のクオリティは高く、映画のサウンドトラックとして使用された楽曲も作り込まれている。「前前前世」や「愛にできることはまだあるかい」が注目されがちだが、他の映画挿入歌もバンドの個性を含みつつも、映画のシチュエーションに合った名曲が多い。今回選曲した『天気の子』挿入歌である「風たちの声」はキャッチーの爽やかな雰囲気と疾走感ある演奏が魅力的な名曲だ。

加山雄三「お嫁においで」

加山雄三「お嫁においで」

 デビュー60年目を迎えた日本の音楽界のレジェンドで現役のロックミュージシャン。日本の音楽シーンを半世紀以上支えたミュージシャンではあるが、加山雄三の音楽は懐メロではない。2020年も通用するような普遍性のある名曲がいくつもある。2015年にはラッパーのPUNPEEが「お嫁においで」をサンプリングして制作した「お嫁においで 2015」は大きな話題になり、若者の心にも響く音楽であると証明されている。RHYMESTERやももいろクローバーZとも交流したり、若いミュージシャンを集めてTHE King ALL STARSというバンドを結成したりと、80代になっても新しいことにも挑戦し続けている。2020年になっても現役バリバリの若大将の音楽に痺れて欲しい。

 そしてこのプレイリストに選んだアーティストも加山雄三のように、何十年も聴かれ続けるであろう音楽を数多く作っている。未来に残る名曲を作ったアーティストが続々とサブスク解禁されているので、素晴らしい名曲を探して出会って欲しい。

■むらたかもめ
オトニッチというファン目線で音楽を深読みし考察する音楽雑記ブログの運営者。出身はピエール瀧と同じ静岡県。移住地はピエール中野と同じ埼玉県。‬ロックとポップスとアイドルをメインに文章を書く人。
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