ドラマ『賢い医師生活』や“スムドゥンミョン”で10年以上前のK-POP楽曲が再注目 現在との違いはフレーズ重視の歌詞に?

10年以上前のK-POP楽曲が再注目される背景

 韓国では、他にもドラマの影響で最近になってまた人気が再燃して聞かれるようになった懐メロがいくつかある。現在Netflixにて配信中のドラマ『賢い医師生活』では、ソウル大学医学部1999年入学組の5人の医師が慌ただしい生活を送りながらも、20年前の学生生活の記憶とともにバンド活動を行う様子が描かれている。彼らはドラマの中で1990年代の歌を歌っており、オリジナルサウンドトラックの人気とともにその年代の曲の人気が再燃している。

賢い医師生活 シーズン1 | 予告編 | Netflix

 特に、ドラマで彼らが披露したCrying Nut(クライングナッツ)の曲「밤이 깊었네(夜が更けたね)」や動物園(トンムルウォン)の「시청 앞 지하철 역에서(市庁前地下鉄の駅で)」などはそのノスタルジックな雰囲気で、レトロ感も含めてドラマの視聴者である若い世代にもウケたようだ。

 今やグローバルに人気を誇るK-POP。10年ほど前の曲では、歌詞の中でも“耳に残るフレーズ”に重点を置いていたからなのか、ついふとした瞬間に口ずさんでしまったり、一度聴いたら頭の中で繰り返されたりするような曲が多かったように思える。それゆえ正しい文法よりも語感を意識して、不思議な英語になっている歌詞も見られる。

 一方現在のK-POPは、より世界中の人に聴かれるようになったこともあり、メッセージ性や正しい文法が意識されていることが多いだろう。そのため現在は耳に残る「言葉」よりも、耳に残る「メロディ」に重点が置かれたものも多々見られる。

 また、10年前よりさらに振り返って昔のものを聞いてみると、ドラマで聞き覚えのある曲や最新のアーティストのカバーで聞いた曲も発見できるかもしれない。さらに、自分の好きなアイドルがアイドルに憧れていた頃に聞いていた曲を聴くというのも新たな楽しみの一つになりそうだ。

■フルヤトモコ
1999年生まれの大学生。韓国のカルチャーと洋楽、本、映画など。
東京藝術大学 音楽環境創造科在籍。

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