乃木坂46「Route 246」の新しさは“小室サウンド”だけではない 衣装、フォーメーション、ダンスから見える挑戦

 小室サウンドの話題で持ちきりな一方、「Route 246」は新たな乃木坂46を表現した楽曲でもある。今作は25thシングル「しあわせの保護色」、先月リリースされた配信シングル「世界中の隣人よ」から初めて白石麻衣が選抜にいないシングル。そんな乃木坂46にとっても節目の作品で話題性抜群の小室サウンドを起用し、そこまでグループに詳しくない層にも、今の、これからの乃木坂46のイメージをリーチさせているというわけだ。

乃木坂46「Route 246」

 衣装や振り付けもシングルとしては今までにない乃木坂46である。ダンスチューンに合わせた衣装は短い丈のスカートやショートパンツ。一般的に清楚のイメージの強い乃木坂46にとって、ヘソ出しの衣装も新たな挑戦かもしれない。メッシュのエクステも一つのアクセントになっている。振付は「ポピパッパパー」「不眠症」「Another Ghost」など、EDMチューンやダンサブルな楽曲を手がけてきたFUMIHITO。齋藤は今回のダンスについて「カチッとしていて、なめらかというよりかは、力強い感じ。全員の動きをぴたっと合わせると綺麗に見えるので、とにかくみんなと合わせることを意識しました」と明かしている(7月21日 日刊スポーツ「坂道の火曜日」より)。

 そして、最も新しい乃木坂46を体現しているのは、センターを担う齋藤の存在だろう。『Mステ』にて楽曲披露前の堂々としたコメント、繊細かつパワフルなパフォーマンス、ラストの宙を見上げる表情と、かつて泣き顔を見せていた4年前とは見違える成長を遂げている。「Route 246」という道の先には、乃木坂46にとって新たなフィールドが広がっている。そんなことを確信づける楽曲だ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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