関西ジャニーズ勢、注目度上昇の理由は少人数ならではの“ファミリー感” 良きライバル関係で育まれるハングリー精神も

 しかし、関西ジャニーズJr.がこれほど注目される機会は、最近までほとんどなかったように見受けられる。関西ジャニーズJr.には、関東と異なり50人ほどしか在籍していないため、関西ジャニーズJr.から誕生した3組のグループ結成に際しても、熾烈なポジション争いがあったようだ。印象的だった出来事としてドキュメンタリー番組『RIDE ON TIME』の関西ジャニーズJr.回が挙げられる。グループに所属していないJr.の頑張りに感心したなにわ男子の年上メンバーが、グループ内の話し合いで年下メンバーにダメ出しをする場面では、Jr.として生き残ることの厳しさが改めて突きつけられた。それだけでなく、関西ジャニーズJr.に在籍していたメンバーの中には、人気があることから上京して関東のJr.とグループを結成しデビューすることもあった。実力の差が顕著に現れやすいことも関西ジャニーズJr.ならではであり、そのような状況下で身につく個々人のハングリー精神は、関西ジャニーズJr.全体に還元されている。まさに、良き友人でありライバルである関西ジャニーズJr.同士の関係性は、つい応援したくなる。

 昨今では注目される機会が増えたことによって、関西勢が得意としているトークや笑いの部分だけでなく、クールなパフォーマンスを魅せた時のギャップも含め、関西ならではのアイドルらしさが周知され始めている。もともと個性豊かなメンバーが所属する関西ジャニーズであったが、さらにJr.内にグループができたことで、その多様性がより伝わりやすくなった。デビュー組の後輩育成への歩み寄りとJr.のハングリーさで実現された関西ジャニーズとしての一体感は、ファンにも熱量を与えている。『ドリアイ』は、笑いあり涙ありの関西ジャニーズの歴史において、ターニングポイントとなるに違いないだろう。8月には、グループごとに単独のオンラインライブが予定されており、どの公演も必見だ。

■momotoxic
ブロガー。自称”楽曲派”。Twitter:@momotoxic1006

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