神はサイコロを振らない ボーカル柳田周作が大切にする、“歌が命”の信念 「夜永唄」ヒット、新曲「泡沫花火」制作背景を聞く

神サイ柳田が明かす、“歌が命”の信念

新曲「泡沫花火」は女性目線に徹した曲

ーーそして7月17日にデジタルシングル「泡沫花火」がリリース。メジャー第1弾の楽曲ですが、曲を書いたのはいつ頃なんですか?

柳田:ユニバーサル ミュージックの<Virgin Music>と一緒にやりましょうということになった後ですね。夏くらいのリリース予定だったので、夏をテーマにした曲にしようと。秋、冬に合う曲は作ってきたけど、意外と夏の曲はそんなに書いてこなかったんですよね。

ーー切ない恋愛ソングも意識していた?

柳田:そうですね。「夜永唄」をこれだけ多くの方に聴いてもらっているなかですし、そこは意識しながら、いまの自分の表現を形にしました。自分の経験談を踏まえながら、女性目線で書いてみようと。女性目線の歌詞はたまに書くんですよ。直近のミニアルバム『理-kotowari-』に入っている「揺らめいて候」は1番が女性目線、2番が男性目線なんですけど、「泡沫花火」の歌詞は女性側に徹しています。以前付き合っていた年下の女性は、自分のことをどう見ていたんだろう? と事実と想像を組み合わせながら書きました。かなり苦戦しましたけど、繊細できれいな曲になったと思います。自信作ですね。

ーー女性言葉の歌詞、繊細なメロディを含めて、柳田さんの声質に良く似合っていて。

柳田:確かにそうかもしれないです。力強い声だと今回のような歌詞は表現しづらいかも。メンバーに時々言われるんですよ、「おまえは前世が女性だったんじゃないか」って(笑)。それは大学時代、美容に熱心だった時期に言われたことだったんですけどね(笑)。自分としては単純にステージに立つ者として当たり前なこととしてやっていただけなのですが。内面のことで言えば、恋愛相談を受けたときも、男女両方の気持ちがわかるし、どっちの気持ちも歌詞にできるというのはありますね。

ーー女性目線の歌詞もそうですが、いろんな視点を持つことで、歌の幅も広がりますよね。

柳田:そうですね。いまのところ人間模様をテーマにした曲が多いんですけど、今後はもっと哲学的な内容などいろんなことを歌っていきたいという気持ちがあって。そのためには日ごろの生活が大事だし、毎日同じことの繰り返しでは言いたいことや伝えたいことのストックが尽きると思うんです。そのためにもこの先は、いい意味で破天荒でありたいんですよね。いつか1週間くらい一人で海外に行くとか。いろんなことを経験して、そこで感じたことを音楽で表現できるようになりたいです。

ーー「泡沫花火」のアレンジについても聞かせてください。バンドサウンドを軸にしながらも、ピアノ、ストリングスをしっかり打ち出していて、ポップスとしての魅力に溢れたアレンジに仕上がっています。

柳田:はい。「夜永唄」はもっとロックバラードで、エモーショナルな部分が強く出ている曲でしたが、歌詞を直す中でそういう曲ではないなと感じて。「泡沫花火」も当初は歪んだギターの音を入れる予定だったんですけど、より繊細に歌が響き続けるアレンジにしたかったし、ギリギリまで悩みながらサウンドを作っていきました。この歌詞に寄り添える音作りができたし、確かにポップス寄りかもしれません。オケが変わったことで、歌の表情も変わりましたね。最後まで繊細であり続けて、上がり切らない良さがあるというか。この曲はメロディの展開もちょっと変わっているんですよ。

ーーどういうことですか?

柳田:2番のサビ、Cメロの後、それまで出てこなかったメロディが入ってくるんです。それはもともとメインのサビにするつもりだったものなのですが、途中で変えたんですよね。でも、そのメロディ自体は気に入っていたし、曲のなかにパッと開けるパートが欲しくて、最後にDメロとして付け加えようと。このメロディが存在することでノスタルジーをさらに感じてもらえると思うし、それが「泡沫花火」のイメージをかたどってるんじゃないかなって。僕は田舎育ちなんですけど、子供の頃や青春時代の夏の思い出というと、近所の小さい神社のお祭りの印象が強くて。この曲を聴いてくれた人たちーー老若男女を問わずーーそういう光景を想像して、曲のなかに入り込んでもらえたら嬉しいです。

神はサイコロを振らない - 「泡沫花火」 【Official Lyric Video】

新鮮な気持ちで臨めた配信ライブ

柳田周作(Vo) (写真=MASANORI FUJIKAWA)
吉田喜一(Gt)(写真=MASANORI FUJIKAWA)
桐木岳貢(Ba)(写真=MASANORI FUJIKAWA)
黒川亮介(Dr) (写真=MASANORI FUJIKAWA)
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柳田周作(Vo) (写真=MASANORI FUJIKAWA)
吉田喜一(Gt)(写真=MASANORI FUJIKAWA)
桐木岳貢(Ba)(写真=MASANORI FUJIKAWA)
黒川亮介(Dr) (写真=MASANORI FUJIKAWA)
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ーー7月10日に行われた配信ライブ『神はサイコロを振らない Streaming Live「理 -kotowari-」at WWW X』でも「泡沫花火」を披露。手ごたえはどうでした?

柳田:ライブ中はどんなコメントが来てたのかわからなかったんですけど、あとでエゴサーチしてみたら、かなりいい反応があって。「歌詞だけで引き込まれる」という声もあったし、ぜひリリースした音源も聴いてもらいたいです。ライブ自体も良かったですね。経験したことのないことだったので最初は不安でしたが、映像を見返してみたら「めっちゃカッコいいやん!」って(笑)。地元福岡の友達からも「すごく生き生きしてた」という感想が送られてきて。お客さんがいない場所から自分の表現をそのまま観てもらうというのがすごく新鮮だったし、自分たちも楽しくて。こういう形のライブもアリだなと思いました。コロナ禍でもポジティブな活動をしていきたいですね。

ーーバンドもメジャー進出。大きな節目のタイミングですね。

柳田:バラードでメジャーデビューって、けっこう思い切ってるというか、まあまあ勝負に出ていますよね(笑)。バンドのメジャー1発目は開けるような曲を選択することが多いと思うので。ただ自分たちの場合は「夜永唄」のおかげで歌の力を改めて感じている最中だし、「泡沫花火」でデビューするのがいいんじゃないかと。

ーー「夜永唄」と「泡沫花火」によって、バンドの認知度もさらに上がるだろうし。

柳田:そうなってくれたら嬉しいです。今後はバラード以外の曲も聴いてほしいし、届けていきたいですね。今も制作しているんですけど、アッパーな曲が2曲、バラードが2曲という感じで進めていて。アッパーな曲の1曲は先日の配信ライブでも披露しました。タイプが違う曲ばかりだし、五角形のチャートレーダーを作ると「いろんなベクトルの曲があるんだな」ってわかってもらえるかも(笑)。やっぱり「何を歌っても、神サイになる」というのが理想ですね。

ーー「神サイらしさを示すのは、自分の歌だ」という思いがあると。

柳田:そうですね。全員がアコースティックの楽器を演奏しても、ギターをすごく歪ませても、自分の歌があれば神サイになるという自信があるので。歌を大事にしつつ、ロック感もしっかり出して……その両極端な感じも、神サイらしさだと思うんですよ。最初の頃は「結局、君たちはどういうバンドになりたいの?」「どういうジャンル?」「何がしたいの?」と言われることもあって。それも愛ゆえのアドバイスだったんですけど、自分としては「絞り込まないといけないの?」という気持ちもあったし、スタイルを変えることなく貫いてきて。これからも自分たちがやりたいことを素直に表現したいし、もっともっとふり幅を広げたくて。ぜひ今後に期待してほしいです。

神はサイコロを振らない『泡沫花火』

■リリース情報
『泡沫花火』
2020年7月17日(金)配信リリース
配信はこちら

『神はサイコロを振らない Streaming Live「理 -kotowari-」at WWW X』見逃し配信
7月31日(金)21:00〜
新体感ライブ CONNECT

・神サイ「泡沫花火」配信記念「限定コメント動画」が貰えるLINE トーク&プロフィールBGMキャンペーン開催決定
詳細はこちら

■リリース情報
ユニバーサル ミュージック公式ページ
神はサイコロを振らないオフィシャルサイト
神はサイコロを振らないオフィシャルYouTube
神はサイコロを振らないオフィシャルTwitter
神はサイコロを振らないオフィシャルInstagram
神はサイコロを振らないオフィシャルTikTok

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