山下智久、新曲「Nights Cold」で“世界の山P”へ 日本語を織り交ぜた歌詞と潔い引き算による楽曲を考察

 前述の番組でのパフォーマンスでは、3つのキューブ型のフレームに、ピアニスト、山下、バレリーナが配置。序盤は椅子に座り、目を閉じながら静かに感情を込めて歌った。曲の進行と共に立ち上がり、身振りも大きくなっていった。歌詞も英語から日本語へと変わり、それゆえにサビの歌いだし〈愛〉が際立った。〈君は〉の歌詞にあわせてカメラを指さす、歌詞との連動。どの角度からカメラで抜かれても美しい姿勢。最後に、ゆっくりと手を下ろすのだが、それと連動してバレリーナの手も下がり、照明、壁面のグラフィックも同じく灯りを落とした。まるで動くアート作品のようなステージだった。

 コンサートでもそうだが、山下は楽曲の持つ世界観を演出するのが上手い。歌にダンス、演技に語学、持ち前のセンス……英語と日本語を使い分け、作品で見せる演技もあれば、歌う時の表情もそう。楽曲、歌詞の持つ世界観を表現するための選択肢が多く、それを加減できるセンスを持っている。

 目標に向かって努力を続ける山下。ドラマ出演をきっかけに、俳優としてだけでなく音楽も世界へ発信した山下を誇らしく思う。常にファンへの感謝の言葉を忘れず、今回のドラマ出演に対しても、「運が良かった」と語っていたが、それが実力というものだろう。

 雑誌『ViVi』での山下の連載「P's STYLE」では「“今”は常に夢に向かうまでの“通過点”」と答えていた。これからどんな世界を見せてくれるのか、どんな音楽に巡り合えるのか、俳優、アーティストとしての進歩があるからこそ応援したくなる。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

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