欅坂46、ついに本格的始動へ 配信ライブにおける3つのポイントとは?

コロナ禍での活動、配信ならではの取り組み

 新型コロナウイルスの影響により、多くのアーティストやグループが思うように活動ができなくなっている昨今。番組もリモート収録で行うなど坂道グループも試行錯誤が続いている。そのなかで欅坂46は、過去のライブをYouTubeチャンネルでプレミア配信したり、インタビュー映像を公開するなど、出来る限りの範囲内で独自の方法を模索してきた。

 公式ページに掲載されている感染予防対策のガイドラインによれば、たとえば差し入れを禁止したり、マイクの使い回しはしない、衣装の着脱の前後で消毒、メンバーやスタッフの抗体検査、検温の実施など、対策を徹底した上での企画となっているようだ(参照)。

 配信ライブだからこその演出にも注目したい。公式のニュースページでは、「無観客だからこそ可能な演出」「配信だからこそ実現できる臨場感」「リアル会場では味わえない一体感」といった言葉が並んでいる。メンバーもブログで「会場全体(今までだとファンの皆さんがいてくださった場所)を使うので、規模が半端ない」(参照)と明かしているように、こうした状況をむしろ逆手に取って、クリエイティブ面に活かす姿勢に期待したい。

 客席スペースを使った演出といえば、昨年末の『ミュージックステーション ウルトラSUPERLIVE 2019』(テレビ朝日系)を思い出す。無観客の幕張メッセで披露した「黒い羊」は、まるで同曲のMVの世界をまるごと再現したようなパフォーマンスであった。階段や通路までをも使った一発録りの長回しカメラワーク、会場中にぐしゃぐしゃに積まれた椅子、天井から舞う無数の羽根、空間を広く使ったダンスなど、テレビパフォーマンスの域を超えた大掛かりな演出に釘付けになったのを覚えている。それを考えれば、今回の演出にも十分期待ができよう。

 また、今回用意されたファンクラブ限定の特典付き視聴チケットを購入すると、“インタラクティブ・エール”と“インタラクティブ・シート”といった特典が得られるという。ファンの声が実際のメンバーのもとに届く仕組みなのだとか。こうした配信ならではの双方向型の取り組みにも注目だ。

 思い返せば、年の初めの『欅って、書けない?』(テレビ東京)のタロット占いで今年の活動が思い通りにいかないことはすでに予想されていた(占い通りで逆に驚きである)。答えのないものを探し求め、暗中模索する日々。今回のイベントがそんな現状を打破するきっかけとなるのか、ぜひ期待したい。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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