Hey! Say! JUMP『Last Mermaid...』が27作連続1位 クリエイター陣の底力を感じさせる楽曲の幅広さ

 通常盤のカップリングも聴いていきましょう。「U」は、「Last Mermaid...」と対照的な「引き算」の美学が光るメロウなナンバー。作詞は辻村有記、作編曲は辻村有記とA-beeによるもので、ヒップホップを通過したテクノによるトラックです。なお、トラックメイカーであるA-beeの2009年のアルバム『A-bee remixes -FACE-』のライナーノーツは私が執筆しており、Hey! Say! JUMPを通じての思わぬ再会でした。

 「言葉はいらない」では、作詞作曲編曲を月蝕會議が担当。月蝕會議は、元Hysteric Blueの楠瀬タクヤなども参加する音楽クリエイター集団で、イヤホンズの楽曲を多く手がけているほか、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』の楽曲も手がけるなど、八面六臂の活躍を見せているチームです。

 そんな月蝕會議が手がけた「言葉はいらない」は、Hey! Say! JUMPのメンバーそれぞれの歌声を堪能できるバラ—ド。心憎い楽曲です。

 今回聴いた通常盤の全3曲だけでも、思わずうなる楽曲の幅広さ。3曲のベクトルがバラバラなところも、Hey! Say! JUMPとクリエイター陣の底力を感じさせるのに充分でした。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「チャート一刀両断!」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる