針スピ子、中毒性満載の「「ぴえん」のうた」バイラルチャートに突如登場 リスナーとの“距離の近さ”がもたらすヒットの連鎖

 針スピ子は本作以外にも日常の〇〇を主題に「○○のうた」シリーズを展開している。例えば「「もうどうにでもな~れ」のうた」「「あんたバカァ?」のうた」「「思てたんとちがう!」のうた」などの楽曲が展開されており、作曲はすべてSOUNDEVOTEE(さんでぼ)が担当している。「「ぴえん」のうた」のような童謡調だけでなく、「○○のうた」シリーズではパンクやスカ、テクノといった多彩なジャンルに挑戦しており、キャッチーな歌詞と特徴的な針スピ子のボーカルをしっかり下支えしている。楽曲の振れ幅の大きさもファンの心を飽きさせない仕掛けの一つなのかもしれない。

針スピ子 / 「もうどうにでもな〜れ」のうた
針スピ子 / 「あんたバカァ?」のうた
針スピ子 / 「思てたんとちがう!」のうた

 また、「○○のうた」シリーズはリスナー参加型の企画としても機能しており、「『○○のうた』お題(リクエスト)募集大会」が定期的に開催されている。YouTubeを通じて実施されているこの企画では動画のコメント欄を通じてリクエストを募集し、そのなかからいくつかのテーマをもとに実際に楽曲制作を行っている。リスナーとの距離感が近しいこともSNS時代のヒット曲が生まれる背景として非常に興味深い。

第1回「◯◯のうた」お題(リクエスト)募集企画

 突然チャート上位に現れた針スピ子。「「ぴえん」のうた」はまさにバイラル(口コミ)でチャートを駆け上っているように感じる。「「ぴえん」のうた」の中毒性はまだまだ連鎖し、これから大きく広がりを見せるのではないだろうか。

■Z11
1990年生まれ、東京/清澄白河在住の音楽ライター。
一般企業に勤務しながら執筆活動中。音楽だけにとどまらず映画、書籍、アートなどカルチャー全般についてTwitterで発信。ブリの照り焼きを作らせたら右に出る者はいない。
Twitter : @Z1169560137

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる