BTSの快進撃、ZICO「アムノレチャレンジ」、オンラインライブの盛況と課題……2020年上半期K-POPシーンを振り返る

2020年上半期K-POPシーンを振り返る

6.BigHitとPledisが合流で“3大事務所”の時代から変化?

 5月、BTSが所属するBigHitエンターテインメントがPledisエンターテインメントの買収を発表。Pledisにはここ数年安定的な人気を誇るSEVENTEENやNU'ESTを抱え、『梨泰院クラス』に出演のクォン・ナラもかつて所属していた中堅事務所だ。SM、YG、JYPが“3大芸能事務所”と呼ばれた時代から確実に変化が見える今、BigHit +Pledisが覇権争いに参戦した形となった。

7.JO1、NiziU…日本発・K-POP型アイドルの誕生

 TWICE、NCT 127、IZ*ONE。ここ1、2年人気上昇中の3グループの共通点として「日本人メンバーの活躍」が挙げられる。そこに加え、昨年から続く「日本発K-POP型オーディション番組」にも注目が集まっている。3月には『PRODUCE 101 JAPAN』で選ばれたメンバーがJO1としてデビュー。またJYPエンターテインメントとソニーミュージックによる合同オーディション企画『Nizi Project』も話題となり、6月26日に番組発グループ・NiziUのデビューメンバーが発表されたばかり。K-POPの育成システムに則ってデビューを目指す動きは今後も続きそうだ。

8.BLACKPINK、ソロ活動も好調のMAMAMOO…ガールクラッシュ変わらぬ人気

 多様なコンセプトで差別化を図るK-POPガールズグループ。そんな中で「ガールクラッシュ」は変わらず人気だ。女の子が憧れるようなカッコ良さ。そして力強いダンスとボーカルが特徴で、実力派であることも条件のひとつ。国際的にも評価されているBLACKPINK、そして最近はソロ活動も好調なMAMAMOOが代表格だろう。中でもファサは英国のデュア・リパとのコラボが実現、ソラもソロデビューで音楽番組の1位に輝いた。そしてTWICEの妹分、ITZYも健康的かつ等身大な魅力で『ゴールデンディスクアワード』『ソウルミュージックアワード』などの新人賞を総なめに。”誰かが求める女の子像”よりも”私は私”ーーそんな姿勢が支持される時代なのだ。

 そのほか大物アイドルの電撃婚、TOMORROW X TOGETHERやStray Kidsの日本デビュー、元Wanna Oneメンバーの活躍など日々話題に事欠かなかった上半期。「新型コロナショック」はありつつも、K-POP全体が依然としてファンの熱量で支えられていることを実感する半年でもあった。下半期は、先行き不透明な現状に折り合いをつけつつ、オンラインで新たな可能性を探る時期になりそうだ。

■K-POPゆりこ
エンタメ企業で働く会社員ライター。広告会社でメディア編集を経験した後、1年半のソウル生活。
学生時代に映画『猟奇的な彼女』とK-POPにハマって以降、韓国芸能ウォッチャー歴16年。
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