FTISLAND イ・ホンギ、イ・ジェジン、チェ・ミンファン……バンドにおけるそれぞれの役割と個性

周囲と調和して光るオールラウンダー、イ・ジェジン

 個性豊かなFTISLANDのメンバーを、真ん中でまとめているのが、ベーシストのイ・ジェジン。自信ありげな笑顔と迷いのない言動を見ていると、その器用な立ち振る舞いが生まれ持っての性格かと思いきや、「実は小学生までとにかく内気で友達もできなくて、中学に上がるタイミングを狙って印象を明るく変えたんです」と意外な過去を明かしている(参照: Rolling Stone Japan

 そうしてできた友だちからバンドに誘われ、「ドラムとギターは難しいから、お前はベースをやれ」と言われたことをきっかけにベーシストの道へ。そして姉で女優のイ・チェウォンにオーディションを勧められて、デビューまでこぎつけることができたという。自分の進むべき道を周囲の声に耳を傾ける姿勢、素直さが、彼の人生を大きく転換させている印象だ。

 FTISLANDにおいては「僕の役割は、ホンギ兄さんのボーカルが魅力的に聴こえるようにハーモニーを重ねること」と名言している通り、バックアップボーカルとしても活躍するイ・ジェジン。エッジのきいたイ・ホンギの声色に対して、イ・ジェジンの歌声はやわらかく、重なり合うと深みをもたせながらコントラストがくっきりと浮かび上がる。イ・ジェジンの能力を一言で表すなら「調和」かもしれない。

 そんなイ・ジェジンが、兵役直前にソロデビューを果たした。その時期もまた周囲を気にかける彼ならでは。数年前より、事務所からソロの提案を受けていたものの「FTISLANDに専念したかった」という理由から保留に。しかし、イ・ホンギが入隊すること、そして自分自身も兵役が終わったらまたFTISLANDの活動に専念することを考えて「ソロをやるなら今だ」と決心したのだという。

イ・ジェジン(from FTISLAND) - Love Like The Films【OFFICIAL MUSIC VIDEO -Band ver.-】

 しかしソロとなれば、メインボーカルを引き立てる歌声ではなく、自分自身の歌声を築き上げなければならない。悪戦苦闘しているイ・ジェジンのレコーディングには、練習嫌いなイ・ホンギも駆けつけ、テクニカルなアドバイスをしてくれたと語る。だが、そんな心温まるエピソードのあとには、「ホンギ兄さんに助けてもらって本当に感謝しています。“他の曲も見てくれ“ってお願いしたのですが“面倒臭いから嫌だ“って言われちゃいました」というオチがつくのも、FTISLANDらしさだ。

 また、兵役前に開催したファンミーティングでは、脱退したギターのソン・スンヒョンにも言及。「僕は皆さんの前でFTISLANDを守ると約束したし、これからもその約束を守るために、皆さんと一緒に頑張っていきたいと思っています。いつでもスンヒョンが戻ってこられるように、FTISLANDを続けていきたいと思います」と、いつもファンが待ち望む言葉をくれるのもイ・ジェジンだ。

3児のパパとしても奮闘中の天才ドラマー、チェ・ミンファン

 K-POPアイドルグループの“マンネ(末っ子)”といえば、笑いを誘う天然キャラや愛嬌たっぷりなムードメーカーが多い印象だが、FTISLANDのマンネ、チェ・ミンファンはドラマーというポジションからも控えめタイプに見える。我が道を行くイ・ホンギ、その傍らでベースを奏でるイ・ジェジンを、後ろから支えている印象が強い。

 いつもは兄たちに翻弄されてばかりのマンネだが、その胸のうちには誰よりも熱い思いを抱いている。俳優業に忙しくなったイ・ホンギに対してFTISLANDに気持ちを向けてほしいとぶつかり、本気の言い合いになったことも。いろいろと話しているうちに、ヒートアップし、最終的には涙が溢れてしまうことも少なくないようで、彼の深い愛情と情熱を推し量ることができる。

 実はチェ・ミンファンもイ・ホンギと同じく子役として活動していた過去を持ち、共演した実績もあったそう。そんなチェ・ミンファン少年が、ドラムと出会ったのは小学生のころ。機材などが恵まれた環境ではなかったものの、すぐにその才能が開花。誰もが「天才」と認めざるを得ないパフォーマンスを披露するようになる。彼が纏う優しく朗らかな雰囲気とは打って変わり、ステージ上で鳴り響くドラム音は重厚でたくましい。

 ドラマーとしての顔だけではなく、近年ではミュージカル作品への参加、ソロシングルのリリース、積極的な楽曲制作と、次々と新たな才能を見せて、ファンを楽しませているチェ・ミンファン。2018年1月4日には女性アイドルグループ・LABOUM出身のユルヒとの結婚予定を発表し、3児のパパという顔もバラエティ番組で披露している。

 春には訓練所からファンに向けて「思ったより僕が軍隊体質だったみたいです! グループでいつも末っ子でしたが、ここでは長男なのですごく楽しく生活しています」と頼もしい手紙も届いている。若くから活動しているためキャリアは長いが、まだ27歳と可能性は広がる一方。彼の成長が、さらにFTISLANDを面白くしていくに違いない。

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