三代目JSB 山下健二郎&GENERATIONS 中務裕太、次世代にEXILE魂を色濃く伝え続ける二人のパフォーマー

山下健二郎&中務裕太が伝え続けるEXILE魂

 山下と同じく、EXPG STUDIO OSAKAでインストラクターを務めていた中務のキャリアもまた、ドラマチックで興味深い。7歳からダンスを始めた中務は、高校1年生の時に『EXILE LIVE TOUR "EXILE PERFECT LIVE 2008"』のバックダンサーを務めたのをきっかけに同校に興味を持ち、EXPG STUDIO OSAKAに通うようになった。特待生となった彼は、同じくGENERATIONSの一員である小森隼らとともに10代の頃からEXILEのサポートダンサーとしてライブに出演する傍ら、インストラクターとしても活動。先んじてアーティストデビューした山下には大いに刺激を受けたのだろう、GENERATIONSのサポートメンバーを経て、2012年9月に念願の正式加入を果たす。中務がメンバーに加わった背景には、メンバーの数原龍友らの後押しがあったといい、EXILE HIROからは「Mr.GENERATIONSになって欲しい」と言われたそうだ。

 メンバーからの信頼感の理由は、何と言っても彼のダンスの実力だ。GENERATIONSの楽曲で中務が振付を担当することもしばしばあり、彼のダンスは歌詞とリンクした世界観が伝わってくると感じることが多い。中務が得意とするフリースタイルダンスは、一つのジャンルにこだわらず様々なダンスの要素を取り入れたもので、これは単に“色々なダンスが踊れる”ということではなく、たくさんあるダンスジャンルの基礎をしっかりと押さえていないと簡単にできることではない。中務はそれらをうまく一つの楽曲に織り込んで、さらに随所に遊び心を加えているようだ。ライブでみんなが一緒に踊れるように、ファンがGENERATIONSのライブをともに作り上げる一員になれるようにーーステージ上で踊る中務の姿からはそんな気持ちが伝わってくる。GENERATIONSの楽曲やライブでの世界観を、キャッチーな振り付けでわかりやすく伝える中務の存在は、グループにとってかけがえのないものだろう。

GENERATIONS from EXILE TRIBE 佐野玲於/中務裕太/「ヒラヒラ」DANCE VIDEO

 ともにEXPG STUDIO OSAKAでダンスを学んだ二人は、ダンスの実力もさることながら、そのスピリットに共通点が見いだせる。山下と中務は、EXPG STUDIOが2018年よりスタートしたオンラインレッスンに携わり、今年3月にはLDH JAPANが新型コロナウイルスの感染予防に伴う自粛期間により、運動不足に陥っているファンへ向けて無料公開したダンスレッスン動画にも参加した。また、中務は冒頭で述べた「EXPG高等学院」の特別講師を務めることも決定している。二人はダンスの技術や振付のポイントを丁寧にレクチャーしつつも、何より「夢を見ることの大切さ」や「ダンスは楽しむことが大事」だということを、熱心に生徒たちに伝え続けている。その熱い想いこそが、まさしく二人がEXPG STUDIO OSAKAを通じて継承し、次世代に伝えたい“EXILE魂”なのかもしれない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる