lynch. 葉月、エンターテイナーとして見据える“今” ライブハウス支援企画立ち上げの経緯も明かす

lynch. 葉月が見据える“今”

「DON’T GIVE UP」はあまり深刻にならない曲にしたかった

――今回のシングルは『OVERCOME THE VIRUS』とタイトルがかなりストレートですよね。どんな経緯で決まったのでしょう?

葉月:Survive Said The Prophetのボーカリスト・Yoshに、「“ウイルスぶっ殺す”みたいな言葉でなんかいいのない?」って聞いて、最初は「KILL THE VIRUSですかね」と言ってたんですけど、ちょっと直接すぎるから、もっといい言い回しがないかな、と。それで出てきたのが『OVERCOME THE VIRUS』でした。メンバーにもこれでどうですかと聞いたら、OKですという感じで。

――方向性はもともと決まっていたんですね。「DON’T GIVE UP」はライブで聴きたいような、ゴリゴリのサウンドですが、歌詞には強いメッセージが込められています。

葉月:そうですね、普段はあまりメッセージ性はないんですけど(笑)。今回のこの事態ありきの曲なので。もう歌詞はそこになっちゃいますよね。

――今の状況にもはまりますし、もっと広く捉えることもできる詞になっているのかなと感じました。ちなみにどれくらいで書かれたんですか?

葉月:2、3時間ですね(笑)。レコーディング前日にぱぱっと書いて。もう書く内容は決まっていたから、あとはもうメロディに言葉をはめていくだけだったので、苦労はしなかったです。

――書きたい内容は、企画が始まった段階から決まっていたんですか?

葉月:企画が決まった時はまだそこまでは考えていなかったんですが、曲を書こうとなって、この曲調で、この状況で、この曲に合う言葉ってなんだろう? と考えた時に、「DON’T GIVE UP」が出てきました。僕はわりと意味よりも字面とか、言葉が持っている雰囲気で決めたりするんですよ。“諦めるな”というよりも、「DON’T GIVE UP」という字がロック的というか、あの曲にはすごく合っているなと感じたので。そのタイトルから導かれた歌詞でしたね。

――ストレートな歌詞ではあるんですけど、前向きな印象でした。サウンドはこの状況でもぶれないですね。

葉月:あんまり深刻にならない曲にしたかったんです。平和を願うバラードも当然素晴らしいと思うんですけど、僕らがやっちゃうと、「あ、これはいよいよ本当にピンチなのか」となってしまいそうで(笑)。「まだ大丈夫っしょ! 乗り越えようぜ!」という感じの方がいいかなと思って。

――2曲目の「WALTZ」はもともとあった曲ということですが。

葉月:これは『ULTIMA』(2020年3月リリース)のときに悠介(Gt)くんが出してくれていた曲です。曲を並べたときにこのアルバムにはちょっと入れにくいなということで、次の作品に回そうという話になっていたんですけど、今回、曲が多い方がより寄付額が大きくなるということで、入れることになりました。

――3曲目は、「A GLEAM IN EYE」を再レコーディングされたそうですが、この曲を選ばれた理由を教えてください。

葉月:曲が多い方が寄付金の額も大きくなるということであれば、もう一曲再録でも入れようかなと考えていて、あの曲が色々な面でちょうど良かったんです。lynch.はよく再レコーディングをするんですよ。古い曲で、今でも人気の高い曲は大体リレコーディングしているので、今録りなおしてもなぁ、とも思ったのですが。でも、「A GLEAM IN EYE」は、メジャー1stアルバムに入っているテイクが最後だったんですね。録りなおすならこの曲だなと思ったし、曲が持つ意味合いもすごく良くて。いつもライブでアンコールの最後など、大事なところを飾り続けていた曲なので、ファンの中には希望みたいイメージがあるはずなんですよ。そういう曲を収録することで、希望みたいな気持ちを与えられそうだなと思いました。タイトルの「A GLEAM IN EYE」は“目の中の輝き”という意味なんですけど、そういうのも今の状況にすごく大切なことかなって。

――再レコーディングは皆さんで集まったんですか?

葉月:「WALTZ」は『ULTIMA』のときに録ってあったので別ですけど、今回録った「DON’T GIVE UP」と「A GLEAM IN EYE」はほぼほぼ集まっていないですね。普段からlynch.ってそんな感じなんです。基本的にはデータのやり取りをして。でも今回はそれ以上に極力集まらないようにしていました。

――それは信頼関係があってこそできることかもしれませんね。

葉月:そうですね。ドラム録りは僕も立ち会わずで、現地の名古屋のエンジニアさんと、晁直くん二人っきりだと思います。弦楽器も各々家で録って、音を作る上でリアンプという作業があるんですけど、それだけは弦楽器隊と僕が数時間だけ集まりました。

――現在、メンバーの皆さんとはどんなふうにコミュニケーションを取っているのでしょう?

葉月:実はシングルに付属するパスケースの箔押し作業も時間をずらして、集まらなかったんです。マネージャーから業務連絡がグループLINEにきて、それに対して「了解です」みたいに返事をするとか、そんな感じですね(笑)。緊急事態宣言も出ているので、人数が少ないとはいえ非常に密になるリハもしばらくはやめておこうという話になっていて。だから今はみんなそれぞれ一人で高めている状況だと思います。

――葉月さんはいま、ゲーム実況などにチャレンジされているところですが、他に今後やってみたいことはありますか。

葉月:実況の中でも話してるんですけど、今この状況なので時間があるじゃないですか。だからアルバムをまた作ろうと思えば作れるんですけど、『ULTIMA』が出てからライブを一本もやっていないので、その状況で新しいアルバムが出ちゃうと、『ULTIMA』がちょっとかわいそうだな、と。あと、作品ごとの違いって、前作が出てから今作が出るまでに、音楽人としてどう生きたかーーどんなライブをやってきたか、どんな思いで歌を歌ってきたかとかーーがすごく反映されると思っていて。でも今、そういうことはなにもやっていないわけじゃないですか。意図的に曲調を変えることはできるんでしょうけど、もうちょっと深みのあるところでの変化はほとんど出ないと思うんですよね。だから今作るのもなんだかなぁ、と悩んでいます。lynch.ではないですが、僕個人で『奏艶』というソロライブをやらせてもらっているので、その音源を作ってみたいですね。

――この時期、気持ちが落ち込んでいるリスナーもいると思います。何か伝えたいことはありますか?

葉月:ライブハウスを救いたいけど、結局ライブに行けないからどうしようもないじゃないか、と思っている人もたくさんいらっしゃると思うので、そういう人には今回の企画に参加してほしいですね。(CDは)発売したら速攻売り切れちゃいましたけど、すぐに追加生産して販売してますし、これから配信も始まります。サブスクでも十分寄付につながるので、「自分がライブハウスを救っている」という思いを持って、参加してもらえたらちょっと希望がもてるんじゃないかなと思います。あとは、こういう状況に慣れてしまって、「エンタメが今まで生きがいだったけど、実は必要なかったのか」という心にみんながなってしまうと、僕らエンターテイナーはヤバいので(笑)。皆さんの火を消さないように僕らもがんばりますし、皆さんの中でも火を保ち続けてほしいです。エンターテインメントはなくしちゃいけないものだと思うので、そこは忘れないでほしいですね。

lynch.『OVERCOME THE VIRUS』

■lynch.ライブハウス支援企画詳細
『OVERCOME THE VIRUS』
<収録曲>
DON’T GIVE UP(新曲)
作詞:葉月 作曲:葉月
WALTZ(新曲)
作詞:葉月 作曲:悠介
A GLEAM IN EYE(再録)
作詞:葉月 作曲:葉月

発売日:4月28日(火)
lynch.Official HP限定で通信販売

販売形態(3種)
A.CDのみ ¥1,000(税込)
B.CD+goods1ヶ付 ¥2,000(税込)
C.CD+goods2ヶ付 ¥3,000(税込)

デジタル配信
*5月13日(水)より配信スタート
ダウンロードサイト:iTunes Store / mora / レコチョク / ドワンゴ
サブスクリプションサイト:Apple Music / Amazon Music / AWA / Google Play Music / KKBOX / LINE MUSIC / Spotify / RecMusic / dヒッツ / うたパス
*上記音楽配信サイト以外も追加予定

<分配先ライブハウス一覧(148)>
北海道(10)
札幌BESSIE HALL / 札幌cube garden / 札幌PENNY LANE24 / Zepp Sapporo / 旭川CASINO DRIVE / 函館CLUB COCOA / 北見Onion Holl / 帯広Rest / 帯広MEGA STONE / 小樽GOLDSTONE

東北(15)
青森Quarter / 秋田LIVESPOT2000 / 秋田Club SWINDLE / 盛岡CLUB CHANGE WAVE / 盛岡club change / 山形ミュージック昭和SESSION / 仙台MACANA / 仙台CLUB JUNK BOX / 仙台BIRDLAND / 仙台darwin / 仙台Rensa / 仙台PIT / 福島club SONIC iwaki / 郡山CLUB #9 / 郡山HIPSHOT JAPAN

北陸(4)
富山MAIRO / 金沢vanvanV4 / 金沢AZ / 金沢EIGHT HALL

甲信越(7)
新潟CLUB RIVERST / 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE / 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE / 新潟LOTS / / 新潟SHOW!CASE!! / 長野CLUB JUNK BOX / 山梨KAZOO HALL

関東(32)
HEVEN’S ROCK宇都宮 VJ-2 / 水戸LIGHT HOUSE / 高崎club FLLEZ / HEVEN’S ROCK熊谷 VJ-1 / HEVEN’S ROCKさいたま新都心 VJ-3 / 高田馬場AREA / 高田馬場CLUB PHASE / 新宿LOFT / 新宿BLAZE / TSUTAYA O-EAST / TSUTAYA O-WEST / 渋谷CHELSEA HOTEL / 豊洲PIT / TOKYO DOME CITY HALL / 表参道GROUND / 代官山UNIT / 品川Stellar Ball / マイナビBLITZ赤坂 / 恵比須LIQUIDROOM / 目黒鹿鳴館 / EX THEATER ROPPONGI / 新木場STUDIO COAST / 吉祥寺CLUB SEATA / Zepp Tokyo / Zepp DiverCity / 池袋BlackHole / 本八幡Route Fourteen / 柏Thumb Up / 柏PALOOZA / 川崎CLUB CITTA’ / 新横浜NEW SIDE BEACH!! / 横浜BAY HALL

東海(21)
岐阜CLUB ROOTS / 岐阜club-G / 浜松FORCE / 浜松窓枠 / 静岡Sunash / 名古屋ElectricLadyLand / 名古屋ell.FITS ALL / 名古屋THE BOTTOM LINE / 名古屋DIAMOND HALL / 名古屋CLUB QUATTRO / 名古屋SPADE BOX / 名古屋HeartLand / 名古屋CLUB UPSET / 名古屋club Zion / 名古屋JAMMIN’ / 名古屋MUSIC FARM / Zepp Nagoya / 豊橋club KNOT / 今池HUCK FINN / 松阪M’AXA / 三重CLUB ROOTS

関西(24)
滋賀U☆STONE / 滋賀B-FLAT / 京都MUSE / 奈良NEVER LAND / 大阪BIGCAT / 大阪MUSE / 大阪club vijon / 大阪club MERCURY / 梅田TRAD / 梅田CLUB QUATTRO / Zepp Namba / Zepp Osaka Bayside / なんばHatch  / 西九条BRAND NEW / 江坂MUSE / 心斎橋VARON / 心斎橋CLAPPER / 心斎橋CLUB DROP / 神戸太陽と虎 / 神戸Star-Club / 神戸VARIT. / 姫路Beta / 和歌山CLUB GATE / 和歌山SHELTER

中国(11)
岡山image / 岡山CRAZY MAMA KINGDOM / 岡山CRAZY MAMA 2nd Room / 岡山YEBISU YA PRO / 広島SECOND CRUTCH / 広島CLUB QUATTRO / 広島VANQUISH / 米子AZTiC laughs / 松江AZTiC canova / 出雲APOLLO / 山口LIVE rise SHUNAN

四国(7)
徳島club GRINDHOUSE /高松DIME / 高松MONSTER / 高松Olive Hall / 松山SALONKITTY / 松山WstudioRED / 高知X-pt.

九州・沖縄(17)
福岡DRUM LOGOS / 福岡DRUM Be-1 / 福岡DRUM SON / 福岡BEAT STATION / Zepp Fukuoka / 小倉LIVE SPOT WOW! / 佐賀GEILS / 長崎DRUM Be-7 / 大分DRUM Be-0 / 大分T.O.P.S Bitts HALL / 熊本DRUM B.9 V1 / 熊本DRUM B.9 V2 / 熊本Django  / 宮崎SR BOX / 鹿児島SR HALL / 鹿児島CAPARVO HALL / 沖縄桜坂Central

公式HP

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる