HKT48、1年ぶりシングル『3-2』で堂々1位 一貫した音楽性とフレッシュなフォーメーションで心機一転

 なかでも筆者が気になったのが「おしゃべりジュークボックス」だ。1950~60年代のアメリカンポップスを彷彿とさせるロックンロール調で、サザンオールスターズの「いなせなロコモーション」あたりと並べて聴きたい真夏のビーチ感がある(エルトン・ジョンの「Crocodile Rock」でも可)。同グループでは「ハワイへ行こう」(『12秒』収録)とも近い路線で、こうした古き良きポップスを現代のガールズポップにアレンジしたものにはどうしても耳が反応してしまう。

【MV】おしゃべりジュークボックス[HKT48栄光のラビリンスCM選抜2020](Short ver.) / HKT48[公式]

 全体的にはどの収録曲も力強く、比較的ロック成分が強めな印象だ。そしてそれは「メロンジュース」や「桜、みんなで食べた」といったメロディックな青春ロックで見せてきたこのグループの一貫しているスタイルでもある。

 思えば、グループ初期から人気を牽引していた宮脇咲良は2018年にHKT48を離れて現在IZ*ONEで活動中、同じく当初から人気メンバーのひとりだった兒玉遥は昨年卒業、劇場支配人を兼任していた指原莉乃も昨年ついに卒業......といったように、ここ数年で次々に中心人物が去っている。

 そうした状況で、楽曲のロックなスタイルは維持しつつ、フレッシュな4期生メンバーをセンターに迎えることで、心機一転を図ったシングルと言えるだろう。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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