ゴールデンボンバー 鬼龍院翔が語る、変わらぬスタンスと理想のリーダー像「こんな状況でもたくましく活動できるって思いたい」

鬼龍院翔が語る、理想のリーダー像

理想のリーダーは『DEATH NOTE』の夜神月と『今日から俺は!!』の三橋貴志

ーーもちろん、鬼龍院さんはすごいリーダーだと思いますが、「たくましい」リーダーという言葉が鬼龍院さんから出るのは、失礼ながら少し意外な気がしました。

鬼龍院:僕ももちろん不安ですけど、僕がくじけたらゴールデンボンバーも大変なことになるでしょうし。まあ、メンバーにはちゃんとお金は渡っているから、金銭的には問題ないのかもしれませんが……。僕は結局、ゴールデンボンバーという居場所を守りたいんですよね。こういう状況になったから、一旦解散して、1人でどうこうみたいなことも、生き延びる選択肢としてはあるのかもしれない。でも、きっと僕は1人になりたくないんです。

 いつかライブを再開するときに、メンバーが辞めているなんてことになったら、考えるだけでも恐ろしいですし。メンバーにはずっとゴールデンボンバーにいてほしい。事務所も離脱なんてことにはなってほしくない。だから、僕がすがっている部分もある。だからこその、責任感ですよね。それが「まずは僕がしっかりしなくては」という原動力になっている。

ーーちなみに、理想のリーダー像はありますか?

鬼龍院:マンガでもいいですか? 『DEATH NOTE』の夜神月と、『今日から俺は!!』の三橋貴志なんですけど。

ーー新世界の神と千葉の卑怯なヤンキーじゃないですか。双方ともハイスペックではありますが、「王道のリーダー」ではありませんよね。

鬼龍院:どっちも、どんな手を使ってでも目的を達成しそうじゃないですか(笑)。

ーーどっちも目的のためには手段は選ばないタイプですからね……。

鬼龍院:それに、絶対に敵に回したくはない(笑)。そう思われるくらいの人間であるべきだなと思っています。GLAYのTAKUROさんのようなリーダーも理想的ですが、僕のキャラ的にはそうじゃない、「そんなやりかたでいいの?」って思われつつも、目標を達成するリーダー像がいいのかな、と。

ーー最後に伺いたいことがひとつ。鬼龍院さんもバンドが居場所になっているように、ファンはゴールデンボンバーのライブや存在が生きがいになっていると思うんです。

鬼龍院:どうにか守りたいところですね。

ーーお話を伺っていて、本当に優しいなと思うんです。

鬼龍院:僕が神経質で、ストロングな人間ではないからこその発想だと思うんです。もし、ずぼらで無神経でストロングな人間だったら、こういうことはやっていないはず。

ーー自分の「弱さ」を認めているからこそ、優しくなれるのでしょうか。

鬼龍院:「優しい」とはよく言われるんですけどね。でも、人に冷たくする理由がないのでねぇ……。

ーーそれはそうですが。なかなかできることではないですよ。

鬼龍院:「人に冷たくすると、逆に自分が傷つく」みたいな経験を、思春期で味わってきたからじゃないですかね。

ーーそこはずっと変わらないと。

鬼龍院:大変な状況が起きても、人間の根本は意外と変わらないんですよね。思春期の経験を手放さずにいたりするし、DIY精神はずっと続いていたりする。頑なに変えていないわけでもなく、自然とこうなってしまうんですよね。

ーー結局そこに立ち返ってしまう。

鬼龍院:僕は今、35歳なんです。29歳くらいでブレイクして、色々変わった部分もあるけれど、今回のこの状況が、自分を一度「本来の姿」に戻してくれたのかもしれないですね。お金がなかったり、実家ぐらしで門限があったりした時期に。だって、こうなると、高い焼肉屋にも行けなくなるわけだから(笑)。あの頃、自分はどんなことで喜びを得ていたんだろうか、そんなことを考える機会になっているのかもしれないですね。

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