KAT-TUN、ジャニーズWEST……SNS活用したDVD視聴&鑑賞会が新たなトレンドに メンバーが呼びかけるファンとのつながり

 実はジャニーズアイドルがファンに同時視聴を呼びかけるのは今回が初めてではない。昨年、関ジャニ∞・大倉忠義が「シングル『友よ』のセブンイレブン盤特典映像「ぼちぼち大切な夜」を観よう」と、Webページを通してファンに呼びかけた。

 『友よ』は、関ジャニ∞が5人体制となって初めてのシングル。エイター(グループファン)はもちろん他グループのファンも一丸となって彼らを応援するべく、フラゲ日からTwitterのトレンドを盛り上げた。その流れを受けての、大倉の提案だった。

 同日・同時刻に自担と同じ映像を観るという貴重な体験に、ファンは歓喜。「#ぼち夜鑑賞会」はトレンド入りし、笑いあり涙ありの夜を共有した。

 なかには、呼びかけがなくとも自発的に同時視聴やエアライブを開催し、自宅にいながらも楽しんでいるジャニーズファンの姿も。Kis-My-Ft2のファンは、本来であればドームツアー初日であった4月9日に「#エアToy2」を通じて時間を共有し、架空セットリストや妄想MCでタイムラインをにぎわせた。後半にはもはや大喜利大会になりつつも、キスマイに会えない寂しさを胸にしまい、ファン同士めいっぱいに楽しんだ。ポジティブな力が溢れたハッシュタグだった。

 そんなファンの姿を見て、本人たちが愛おしく思わないはずがない。翌日には、宮田俊哉や北山宏光らがWebページで反応。ファンとタレントとの新しい関係性を見せつけた。

 先の見えない混沌とした世の中。不安と隣り合わせの日々、エンタメや娯楽の楽しみも奪われた。けれどほんの少しの工夫で、こんなにも楽しい時間を創ることができるのだと、ジャニーズアイドルの呼びかけやファンの行動に気付かされることも多い。

 自担がどう過ごしているか、体調は変わりないか……。そんなファンの心配を払底してくれる日々のWeb更新と、嬉しい提案。新しい時代のファンサービス、新しい「つながり」の可能性を感じさせた。

 楽しいことを見つける、楽しめるというのはもはや才能だ。ジャニーズアイドルがいついかなるときも「ファンを楽しませること」を最優先に考え、自発的に活動するのは、間違いなくジャニー喜多川の教えが生きている証。

 我々ファンも、自担に会えない悲しみをどうにかポジティブに楽しみ、踏ん張っている。いつか会える日が来る、いつかまた楽しい時間を過ごせると信じているから、頑張れる。そう信じさせてくれる「ジャニーイズム」はやはり偉大で、永遠だ。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
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