三代目 J SOUL BROTHERS、新曲「Movin'on」が示す『RAISE THE FLAG』以降のアンセム像

 またドラムンベースの母国であり、本場として知られるイギリスではこのジャンルがヒットチャートにランクインすることも決して少なくない。例えば、このジャンルのトッププロデューサーであるSigmaの代表曲「Nobody To Love」は、「Movin'on」にも通じる多幸感が印象的な楽曲だが、同曲はイギリスのヒットチャート1位獲得、プラチナディスクになったほどの大ヒット曲で、ポップスとしても大きな存在感を示したドラムンベース曲として知られている。このような日本だけでなく世界のポップスシーンでも通用するようなヒット要素に果敢にアプローチする三代目JSBのスタンスには、まさに『RAISE THE FLAG』以降ならではのものを感じる。

 さらに世界に通用するヒット要素という面では先述の“バイラルヒット”にも再び注目したい。「Movin'on」では「Rat-tat-tat」で確立された”音楽を所有するだけでなく共有したくなる”ダンスシーンがMVにおさめられており、現在は「Rat-tat-tat」の「#ラタタダンス」に続く、「#ドライブダンス」として、TikTokで大きなバズを呼んでいる。このようにキャッチーなダンスを取りいれられることもダンスポップグループとしての面を持つ三代目JSBならではの強みであり、そこから生まれるバイラル要素も『RAISE THE FLAG』以降を感じる部分だ。

 そのため、筆者は「Movin'on」を新たなライブアンセムとして機能しつつ、SNS上でも共有したくなる"リアルとオンライン”の2つの軸で機能する曲だと位置付ける。そういったところに“『RAISE THE FLAG』以降の三代目JSB”の進化を感じずにはいられない。

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE / Movin’ on (Music Video)

■Jun Fukunaga
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター。DJと音楽制作も少々。
Twitter:@LadyCitizen69 

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