ヒプノシスマイク、ライブパフォーマンスにおけるインパクト 6ディビジョンが初めて揃ったAbemaTV特番を観て

 また、今回の配信は、6ディビジョンのメンバー全員が初めて揃った場でもある。キャラクターの特徴を生かした衣装を纏う18人が並び立つ様子はまさしく壮観だった。見どころは、なんと言ってもオオサカ・どついたれ本舗とナゴヤ・Bad Ass Templeによる初パフォーマンスだろう。

 まずはどついたれ本舗の「あゝオオサカdreamin’night」。Creepy Nutsが手がけたこの曲は、三味線で始まる特徴的なイントロから、他ディビジョンとのカラーの違いを感じさせる。白膠木簓(CV:岩崎諒太)の関西弁満載のリリックと人を喰ったような振る舞いは、キャラクターを完璧に掴んでいるし、バウンスビートに乗って三人がコミカルに踊って見せる様子も、おちゃらけているのにどこか油断ならないどついたれ本舗そのもの。

ヒプノシスマイク「あゝオオサカdreamin' night」どついたれ本舗

 一方、Bad Ass Templeの「Bad Ass Temple Funky Sounds」を手がけたのはnobodyknows+。ギターとベースを利かせたファンキーな1曲で、リリックにもパフォーマンスにもそれぞれの個性が光る。特に波羅夷空却(CV:葉山翔太)の表情、全身を使ってパワフルに歌う様子は、他のキャストからも「憑依している」と言われるレベル。後発である2組が、オリジナル44ディビジョンに見劣りしないレベルまで仕上げてきているのには舌を巻く。

ヒプノシスマイク「Bad Ass Temple Funky Sounds」Bad Ass Temple

 対するイケブクロ・ヨコハマ・シブヤ・シンジュクの4組は、これまでライブを重ねてきたことでさらに掘り下げた表現を獲得しているように感じた。4thライブと今回までの間には4ディビジョンのメンバーの2曲目となるソロ曲がリリースされており、それらの初パフォーマンスがもうひとつの大きな見どころだ。

 最初のソロ曲は、それぞれのイメージをわかりやすく表現した曲が多かったが、2曲目ではそこから一歩進んで、違った側面を見せてきた楽曲が多い。例えば、やんちゃで直情的な山田二郎(CV.石谷春貴)だが、「School of IKB」で自分の想いを歌詞に込める姿は繊細さが際立っていたし、自信満々で隙のない入間銃兎(CV:駒田航)も、思いをはせるように歌った「Uncrushable」でセンチメンタルな顔をのぞかせていた。こうした“新たな一面”も違和感なく歌い上げることができるのは、それぞれがキャラクターの輪郭をしっかり掴んでいるからだろう。

ヒプノシスマイク「School of IKB 」/ 山田二郎 Trailer
ヒプノシスマイク「Uncrushable」/ 入間銃兎 Trailer

 今回は現地でのライブは叶わなかったが、特別番組のサブタイトルは《SIX SHOTS UNTIL THE DOME》。ドームまでにさらに腕を磨いた18人を、次こそは大きな会場で目撃することができるだろう。

■満島エリオ
ライター。 音楽を中心に漫画、アニメ、小説等のエンタメ系記事を執筆。rockinon.comなどに寄稿。
Twitter(@erio0129

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