GLAY、ジェジュン……楽曲の軸にある表情豊かなボーカル表現 新譜5作をピップアップ

石崎ひゅーい『パレード』(通常盤)

 あいみょん、菅田将暉にもリスペクトされている石崎ひゅーいの音楽の基調はフォークソングであり、それはつまり、言葉ありきの音楽ということになる。5枚目のシングルの表題曲「パレード」にもそのスタイルはもちろん継続されていて、アコギ、ピアノと一緒に奏でられる〈パレードは終わるさわかっていたんだろう?〉という歌い出しから、彼の言葉の強さとしなやかさに一気に持っていかれ、それがとんでもなく気持ちいい。音楽的な盟友であるトオミヨウのアレンジは、エレクトロやソウルミュージックを交えながら高揚感を演出しているが、中心あるのはあくまでも彼の歌。弱さや情けなさをさらけ出しながら、すべてを肯定する力を描き出すボーカルはやはり唯一無二だ。

SOOHYUN(from U-KISS)『Start Again』(CD)

 U-KISSのボーカリスト・SOOHYUNの3rdシングル『Start Again』は、“誕生日にリリース”“除隊後、最初のシングル”が重なった記念碑的な作品。80年代シティポップの雰囲気を感じさせる表題曲は、「Start Again」というタイトル通り、“またここから始まる”“君と一緒に未来に向かって歩き出したい”といった思いをストレートに綴ったポップナンバー。爽やかで切ないメロディ、自らの心情と重なる歌詞を素直に映し出すボーカルが気持ちいい。カップリング曲「I cannot Let You Go」は、低音を効かせたバンドサウンド、シリアスな手触りの旋律が印象的なロックナンバー。ソロ作品としては初めて、彼自身が英語詞にチャレンジしている。

SOOHYUN (from U-KISS) / 「Start Again」MV

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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