ONEPIXCEL、結成5周年の旅はどこへ向かう? ワンピクワールドを巡った2020年初ワンマン公演レポ

ONEPIXCEL、2020年初ワンマンレポ

「ここからは熱帯雨林に行きます」

 傳のひと言によって、飛行機はジャングルへと到着。傳から田辺、そして、鹿沼へと歌い継ぐダンスポップ「Tell us!!」ではタオルを回して盛り上がり、ロックナンバー「S」ではみんなで高くジャンプ。楽曲の締めのポージングがそのまま次の曲のオープニングに繋がっている「Summer Genic」では実に女性らしいクールでセクシーなダンスを魅せた。また、観客による〈ナナナナ〉の合唱に鹿沼がフェイクを乗せるシーンで自然と感嘆の声が上がったことも記しておきたい。

田辺奈菜美

 サマーソングの後は、南半球から一気に北半球へと飛び、季節は冬へ。「ワンピクからのYou’re My Valentine」という告白から始まった「be with you」では客席にチョコを投げたと思ったら、女の子らしい毒っけが詰まったガールクラッシュ系の「Slow Motion」へという甘辛ミックスな展開。ラップする傳、二人をどかして前に出る鹿沼、気持ちよく歌い上げる田辺。強い女性像を表現した彼女たちだが、この3人でしかなし得ないコンビネーションの新たな可能性を強く感じたのは、続く、「Go My Way」だ。田沼が「私たち初のウィンターラブソングになっています。大切な人を思って聞いていただきたいし、背中を押せるような曲にしていきたい」と語った楽曲は、彼女たちにとっては初めて声を重ねないエモーショナルなミドルバラードとなっているのだ。一人が歌っている時は残りの二人はパフォーマンスに専念するという新機軸で、その世界観やストーリーに思わず入り込んで見入ってしまうような求心力があった。このパフォーマンスは是非ともライブで見て欲しいと思う。

鹿沼亜美

 夏と冬を味わった観客は鹿沼の「ここからは神秘的な場所に連れて行きたいと思います」という言葉に導かれて、ここではない、どこか遠い世界へ。メジャーデビューシングルにして、アニメ『ドラゴンボール超』のEDテーマに起用されたガーリィーハウス「LAGRIMA」と田辺が力強く歌い上げる「monochrome」で光差す方へ手を伸ばして宇宙へと到達。そして、「Girls Don’t Cry」では強気に挑発的にパフォーマンスし、キレキレのダンスを魅せた「Howling」ではハイキックも繰り出し、強い女性の前向きな心情を表したトラップナンバー「Final Call」でワンピクワールドの旅は幕を閉じた。この日の「Final Call」は搭乗の最終案内という意味だろう。「私たちが求めた期待や自由を叶えていくけど、あなたはどうする? ついてくる?」というメッセージが込められているように感じた。

 アンコールでは、アルバムのリード曲であるネオディスコ「DO IT, DO IT」を披露した後、田辺が「コロナウイルスとかもあるので、中止になるんじゃないかと心配でしたが、5周年イヤーの最初のワンマンライブができてほっとしてます。みなさん、これからもついてきて下さい」と語ると、鹿沼は「最高のライブができたんじゃないかと思います」とこの日を振り返って感想を述べ、傳は「5周年企画、いいスタートが切れたんじゃないかと思います!」と満面の笑顔で声をあげた。

 そして、明日に向かって歩き出すという前向きな姿勢を感じる「TURN ME ON」でハイタッチをした後、肩を組んで歌い、最後に3人で手と手を繋いで未来に進むという意思を込めた「Take Off」で視線を空高く向けて、ワンピクの旅は締めくくられた。「Take Off」とは、「離陸」という意味であり、ライブのタイトルになっていた「Ride on Time」には“時流に乗る”という意味の他に、「乗り遅れるな!」という意味でもある。ワンピクの結成5周年の旅はまだはじまったばかり。地図を広げた3人は次はどこへ連れて行ってくれるだろうか。

■永堀アツオ
フリーライター。音楽雑誌「音楽と人」「MyGirl」、ファッション雑誌「SPRiNG」「Steady」「FINEBOYS」などでレギュラー執筆中。「リスアニ!」「mini」「DIGA」「music UP’s」「7ぴあ」「エンタメステーション 」「CINRA」「barks」「EMTG」「mu-mo」「SPICE」「DeVIEW」などでも執筆。

■放送情報
『もっと!まじめにふまじめ かいけつゾロリ』
2020年4月5日(日)より毎週日曜日よる7時放送
毎週日曜日よる7時から(※放送予定は変更になる場合があります)
放送局 :NHK Eテレ

■スタッフ情報
原作:原 ゆたか(「かいけつゾロリ」シリーズ/ポプラ社刊)
監督 :緒方 隆秀 
ストーリー監修:藤森 雅也
シリーズ構成:冨岡 淳広
キャラクターデザイン:船越 英之
音楽:田中 公平
アニメーション制作 :BNピクチャーズ ・ 亜細亜堂

■エンディングテーマ
タイトル:「シャラララ」
作詞:HIROMI 
作曲:STARFISH, ELLEN BERG, BIG-F 
編曲:STARFISH
歌:ONEPIXCEL

■オープニングテーマ
タイトル:「もっと!もっと!かいけつゾロリ」
作詞:藤林聖子 作曲:田中公平 編曲:根岸貴幸
歌:ゾロリ(CV:山寺宏一)

■リリース情報
『LIBRE』
2020年2月26日(水)発売  
1.DO IT, DO IT
2.Girl's Don't Cry
3.Final Call
4.Go My Way
5.Slow Motion
6.Sparkle
7.Summer Genic
8.Tell us!!!
9.Howling
10.LAGRIMA
11.TURN ME ON
12.Take Off
13.We Go Now

初回盤:¥3,636+税

初回版封入 Music Card
ONEPIXCEL 3rd Anniversary Live 2018@WWW X
LAGRIMA
Blue Ocean
Sparkle
Girls Don't Cry
TURN ME ON

ONEPIXCEL So So So Hot!!! Tour 2019@duo MUSIC EXCHANGE
Final Call
HOWLING
Summer Genic
Tell us!!!
Take off

通常盤:¥2,727+税

■ライブ情報
『ONEPIXCEL Live Tour 2020 "LIBRE"』
6月20日(土)福岡 INSA  
OPEN 16:30/ START 17:00 
キョードー西日本
0570-09-2424(月曜〜土曜 11:00-17:00)日曜・祝日 休み

6月27日(土)愛知 ell.fitsall
OPEN 16:30/ START 17:00
サンデーフォークプロモーション
052-320-9100(10:00~18:00)

6月28日(日)大阪 阿倍野ROCKTOWN
OPEN 16:30/ START 17:00
サウンドクリエーター
06-6357-4400(平日10:00~17:00)

7月5日(日)東京 LIQUIDROOM
OPEN 17:00/ START 17:45
ホットスタッフ・プロモーション
03-5720-9999(平日12:00〜18:00)

<オフィシャル先行予約>
オフィシャル先行 2月9日(日)23:59〜2月17日(月)23:59

<チケット代>
前売り
自由¥4,500 (税込、ドリンク代別)
自由(U-18)¥2,500 (税込、ドリンク代別)

 <U–18チケット>
※小学生以上高校生以下対象。 中学生以上は入場時に学生証または身分証の提示必須。
※写真付き身分証の場合1点。ない場合は2点提示のこと。
※公演日当日、身分証をお忘れの場合は2,000円お支払いいただきます。 

■関連リンク
ONEPIXCEL 公式サイト
ONEPIXCEL 公式レーベルサイト

アーティスト公式Twitter
ONEPIXCEL
鹿沼亜美
田辺奈菜美
傳彩夏

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