欅坂46 齋藤冬優花はグループの“広報担当”的な存在に キャラクター性やパフォーマンスから人物像を紐解く

 さらに彼女は、パフォーマンスへの意識が高い。それを端的に理解できるのが初の野外イベント『欅共和国2017』での出来事だ。彼女はその初日、フラッグの演出で失敗し、ライブ後に人目もはばからず涙を流したという(参照:齋藤冬優花公式ブログ)。実際、筆者も現場で見ていたが特に気づかなかった上に、ライブ自体はしっかりと盛り上がっていたため、それほど致命的なミスではなかったようだが、話によれば他のメンバーが驚くほどの号泣だったようだ。のちに笑い話としてラジオで語っていたが、それだけ責任感が強いのだろう。彼女がいかにライブパフォーマンスにプライドを持っているかを象徴するエピソードである。

 そんな彼女の最大の魅力は、ファンとの気持ちや目線を共有している点ではないだろうか。欅坂46のメンバーでありながら、彼女自身も欅坂46の曲や世界観、メンバーのことが大好きで、ファンが求めるものを理解しているのがこれまでの発言やブログの文章などから伝わる。つまり、彼女自身が欅坂46のファンであり、ファン側が感じている喜びや痛みを一緒に分かち合えるのが彼女の良さだ。

 メンバーから慕われる人柄、広報担当的な立ち回り、パフォーマンスへの意識の高さ、そしてファン目線の姿勢……欅坂46がここまで成長できたのも彼女がいたからこそと言っても過言ではないだろう。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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