ロザリーナが語る、デビューから現在までの音楽との向き合い方の変化 『INNER UNIVERSE』インタビュー

ロザリーナが語る、デビューから現在まで

自分の中で強く思っていることでないと書けない

ーーロザリーナさんが曲を書くときは、ネガティブな感情が元になることが多いのか、それとも日々の積み重なった思いからポンと出てくるものがあるのか。どういうものが多いですか。

ロザリーナ:ネガティブなことが元になることが多いですね。なんでだろうって自分で考えたときに、楽しいときの記憶ってわりとざっくりとしているんですよね。“ああ、今日楽しかったな”っていう感じで、何がというより“楽しかった”という記憶が残っている感覚で。でも悲しかった出来事や傷ついた一言って、一年後でも鮮明に思い出せるし、忘れられないんですよね。夢にも見たりするし、ふとシャワーを浴びてるときに思い出してしまったりとか。それを曲に書くことで頭の中が整理されたり、なんであのときこう思ったんだろうってことを考える機会が多いんです。だからきっとネガティブなものが元になることが多いと思います。

ーー曲や歌声から滲み出る切なさや痛みの感触は、そういうものが反映されてもいるのかもしれないですね。書くことで頭の中が整理されるのもそうですけど、心が晴れていく感覚はあるんですか。

ロザリーナ:曲を完成させたら、なるほどなって自分で思うこともありますね。あとは曲を書くことで、それについてどうポジティブに考えられるのかなとか、考える機会にもなるし。あとは文字を並べることで、すごく頭が整理されるからスッキリもして。

ーー自分の考えを整理するために何かを書くとか、歌にするというのは、いつ頃からやっていたものですか。

ロザリーナ:それは自分で曲作りをしはじめたときからそうでした。何を歌おうかと思ったときに、自分の中で強く思っていることでないと書けなくて。自分で聴いても、その歌で刺されたいじゃないですか。すーっと流れちゃう曲じゃなく、そうだよねって自分でちゃんと思えないと良くないと思うので。思ったことしか書かないし。それがたとえタイアップ作品だとしても、そのストーリーの中でも自分が共感できるシチュエーションや思いを歌にしたいと思っています。

ーーまたこちらも新曲となる「悲しみのセル」も新たなタッチで、ソウル、ゴスペルっぽい雰囲気になっています。

ロザリーナ:この曲は、みんなで手を叩いて歌えるような曲をイメージしていました。以前、ニュース番組で町おこしをしている人たちを見たんです。その人たちは、家にあるイルミネーションや手作りのものを使って家や町並みをきれいに彩っていて、それを見にくる観光客が増えているということだったんですけど。取材に来た人が、「なんでこういうことをやっているんですか」って質問をしたら、ある女性が、「今は町に残る人が少なくなってしまったけど、私たちはここにいるのよっていう意味でやってる」ということを言っていたんです。

 そのとき、“ここにいるんだよ”っていう言葉がすごく響いたんです。その人は大人の人だったけど、誰しもが人とつながっていたいとか、孤独感があったり、ここにいるんだよって発信したい思いはあるんだなって感じて。そう思えた瞬間に、自分が誰かとつながる手段はなんだろうと考えたら、私の場合は音楽なんですよね。じゃあ音楽でどんなふうにつながりたいのかっていうものが、この「悲しみのセル」という曲で。

ーーコーラスが散りばめられていたり、曲の後半には合唱のようなパートがあって、そういう声を重ねる感じもつながるというインスピレーションからですか。

ロザリーナ:たくさんの人で歌えたらいいなとはずっと思っていたし、いろんな人の声を入れたいというのは、作ったときから思っていましたね。こうして音楽をやっているのも、応援してくれる親がいたりというのが、頑張れる理由のひとつでもあるし。なんだかんだ、ひとりじゃないんだなっていう。それってすごくありがたいことだなって、そう思って歌詞になりました。お気に入りの曲になりましたね。

ーーアルバムの最後がシングルにもなった「百億光年」で、この曲でロザリーナさんの声に引っかかった人も多いと思います。こちらもアニメのエンディングテーマではあるんですが、このエモーショナルな曲はどう構築していったんですか。

ロザリーナ:これは曲作りをはじめた頃に作っていた1コーラスが元になっているんです。これも長く寝かせていた曲ですね。もともと1番だけだったんですけど、アニメのエンディング曲となることが決まって、2番を書きはじめたんです。最初は曲作りの仕方もあまりわからないくらいの頃に作っていたんですけど、夢に満ち溢れてキラキラしている自分っていうのが、今はすごく見えますね。そこからこうして夢を叶えて音楽を生業とする中で今思うことを2番に描いているんです。当時の自分へのアンサーみたいな感じというか。

ロザリーナ 『百億光年』Music Video

ーー曲作りをはじめたばかりの頃と聞いて納得もしたし、面白いなって思うのは、Aメロの流れですね。独特なメロディや譜割の感じがあるんですけど、でもきっとナチュラルにこう歌ったんだろうなっていうものになっていて。

ロザリーナ:そうなんです。この歌、ライブで歌うのが大変なんです(笑)。クセが強かったなと思いますね。

ーーこの曲は、今までの曲も含めて聞こえてくる声がちがって。自分の声を見つけたとでもいうか、誰でもない自分の歌を歌っているっていう感触があるというか。きっと大事な曲なんだろうなとも感じます。

ロザリーナ:この曲は亀田(誠治)さんがアレンジをしてくれて、レコーディングでもボーカルのディレクションをしてくれて。すごく尊敬する人なので、めっちゃ緊張していたんです。いいテイクがちゃんと録れたかなという心配があったんですけど、亀田さんがすごくいい人で、ずーっと明るくて、手を叩いて「いまのよかったよ、いいの録れたよ!」っていただいて、もう笑っちゃうくらいで。完成したものを自分で聴いても、いい曲になったなって思いました。

ーー作りはじめた頃にこのメロディの感じが出てくるってすごいなと思うんですけど、自分で曲作りをはじめたのはいつで、何がきっかけだったんですか。

ロザリーナ:高校卒業で進路を決めるとなったとき、大学には行きたくなかったんですけど、でも何かしないとなどうしようって思って、歌手になろうって決めたんです。でも歌手になるには、曲を書けないとなれないと思っていたので。とりあえず曲を作ってみようっていう感じで作りはじめたんです。

ーーそれでこの感じができていたとは、よほど強い衝動があったんですかね。

ロザリーナ:そうですね。でも今は作れないと思います、「百億光年」は。とにかく当時は、日記のように1日1曲くらいのペースで作っていたんです。良い曲なのか悪い曲なのかはわからないけど、その時は作ることがすごく楽しくて。だから、毎日作っていたんです。

ーーそれが糧になっていたんですね。今回のアルバムが『INNER UNIVERSE』、内なる宇宙ということですが、ロザリーナさんの歌詞には空や星であるとか、見上げる感じをイメージさせるものが多いですよね。何かそれは、自分にとって象徴的なことなんでしょうか。

ロザリーナ:夜、だいたい悩んでいるんですよ(笑)。帰り道で下を向いてトボトボ歩いていて。街灯はあるけど人があまりいない、さみしい道を歩きながら音楽を聴いていると、徐々にいい感じに自分の世界や空気になってきて。それでハーっと息を吸った瞬間に、星や月が見えるんですよね。悩んでいるんですけど、何かに気づけるときって、「ああ、星きれいだな」って思うんです。そういうことが多いのかもしれない。

ーーアルバムの曲には、ちゃんと見上げている感じ、前を向いて進んでいるんだなっていう感じがありますよ。

ロザリーナ:よかったです。これは狙ってるわけではないんですけど、今のアー写も見上げているような感じなんですよね。

ーー3月、4月とワンマンライブが予定されていますが、楽曲の幅が広がっている今、どんなライブになるんでしょうか。

ロザリーナ:もともと憧れているのがアウル・シティーや清竜人さんなんです。いろんなことをやっているけれど、あの人たちでしかないものになっているんですよね。弾き語りもするけど、ダンスミュージックもあって、でもどんなサウンドでもアウル・シティーでしかないものになるのはすごいなと思っていて。私も、それができたらいいなって思ってます。でも今はこのアルバムをみんながどう思ってくれるのかが何より楽しみだし、「悲しみのセル」とかはみんなで歌いたい曲なので、来てくれた人たちがどんな反応をしてくれるか期待してます。

■リリース情報
ロザリーナ1st Album『INNER UNIVERSE』
発売日:2020年1月29日(水)

初回盤:CD+BD(MusicVideo4曲収録) ¥4,500(税込)
通常盤:CDのみ¥3,300(税込)

<CD収録曲>
1.Good Night Mare
2.タラレバ流星群
3.悲しみのセル(新曲)
4.音色
5.I.m.
6.ドレスコード
7.にじいろ
8.マリオネット
9.Over me
10.Stereo
11.何になりたくて、(新曲)
12.ボクラノカタチ
13.百億光年

<BD収録曲>
1.Good Night Mare.
2.ボクラノカタチ-Special Edit-
3.I.m.
4.百億光年

「INNER UNIVERSE」CD予約はこちらから

『INNER UNIVERSE』店頭別購入者特典
詳細はこちらから
全国アニメイト(オンラインショップ含む):ロザリーナ絵柄 ブロマイド3枚セット
TSUTAYA:ロザリーナ絵柄ポストカード 
タワーレコード(オンライン含む/一部店舗除く):初回盤ジャケミニステッカー
Amazon:初回盤絵柄デカジャケット
Sony Music Shop:通常盤ジャケミニステッカー
全国のCDショップ/オンラインショップ:アーティスト写真絵柄ポストカード
対象店舗一覧
※全て数量限定・予約優先での先着順配布。
※特典は数に限りあり。無くなり次第終了。
※対象店舗は一部を除く。詳しくは各店舗まで。
※対象店舗以外での配布はなし。

■ライブ情報
ロザリーナ『ONEMAN LIVE 2020』
日程:2020年3月28日(土)心斎橋JANUS(大阪)
時間:OPEN 17:30 / START 18:00
問い合わせ:キョードーインフォメーション 
TEL:0570-200-888(10:00~18:00)

日程:2020年4月10日(金)渋谷WWW(東京)
時間:OPEN 18:30 / START 19:00
問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION
TEL:03-5720-9999
チケット:前売 ¥3,000- / 当日¥3,500(税込/スタンディング・入場整理No付/ドリンク代別)
※4歳以上チケット必要、3歳以下1名まで入場可
11月23日(土祝)10:00~プレイガイドチケット発売開始
チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット、LINEチケット(東京のみ)

■関連リンク
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