尾関梨香×森田ひかる、石森虹花×藤吉夏鈴……欅坂46、『けやかけ』バレンタイン企画で見えてきた“ゆるやかな関係性”

 さて、本放送は前編だったため一期生3人分のみであったが、それでもすでに興味深い関係性が浮かび上がっている。本命チョコが渡されたのは2人。尾関梨香へ本命チョコを渡した山﨑天は「すごい話しかけてくださって、唯一ご飯連れてくださって」と過去のエピソードを引き合いに嬉しそうに話す。小林由依への本命チョコを渡したのは、本人が期待していた通り森田ひかる。「ずっと変わらず憧れで大好きなので」と以前と変わらぬ一途な姿勢を見せた。

 そして今回の放送のポイントは、本命チョコに加えて”義理チョコ”が用意されている点である。本命が小林だった森田は、義理チョコを尾関に渡し「私が緊張してるときに話しかけてくださる。それで頑張れてるので感謝してます」と先輩の優しい一面を話す。森田のように一途だと時間が経っても”本命”に変化がない。そのため”義理チョコ”という制度を設けたことで、普段の活動で感じた何気ないやさしさなどへの恩返し的な、カジュアルな”好き”が見えてくるのだ。

 石森虹花には義理チョコがひとつだけ渡された。渡した藤吉夏鈴は「私、人見知りするタイプなんですけど、虹花さんには人見知りしないっていうか」と石森の人柄を理由に挙げた。同様に藤吉は小林にも渡して「ダンスの時に教えてくださるので、これを機に深く話してみたい」と今回の収録をきっかけに親交を深めたいという思いを明かした。義理チョコは3つまで渡せるルールなので気軽に”好き”を伝えられる。それによって、これまでの同種の企画とは違った”ゆるやかな関係性”も見えてきた放送であった。

 また、今回の前編で見えてきたのは、裏では一期生が二期生へと積極的に話しかけている点と、二期生はそんな一期生からのアプローチに好感を抱くということだ。当たり前と言えば当たり前の話だが、先輩後輩の垣根を越えたそうした交流がメンバー間の距離を縮めていくのだろう。今回の収録を機に思わぬ組み合わせの2人が急接近することもあるかもしれない。そういう意味でも、後編である来週の放送が楽しみだ。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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