日向坂46 東村芽依&金村美玖は、グループのキーパーソンに? 『ソンナコトナイヨ』フロント抜擢の背景を考察

 バラエティでは“口下手キャラ”として知られている東村は、『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)MCのオードリーや『HINABINGO!』(日本テレビ系)MCの小藪千豊によりそのキャラクター性が引き出され、人気が急上昇している。一方で、ダンスが上手なメンバーとしても知られている。『ひらがな推し』(『日向坂で会いましょう』の前身番組)での企画では「メンバーが選ぶダンスが上手いメンバーランキング」で1位に選ばれるほどの実力の持ち主であるが、意外にもこれまでシングル曲のフロントになることはなかった。東村のダンスにおける魅力は、技術だけでなく表現力も優れている点にあるだろう。けやき坂46(ひらがなけやき)時代のユニット曲「ノックをするな!」では激しくキレのあるクールなダンスを見せたかと思えば、「夏色のミュール」では80年代アイドル風のゆるふわで可愛らしいダンスを見せるなど(ともに日向坂46の公式ゲームアプリ『UNI'S ON AIR』で確認できる)、楽曲によって表現を柔軟に変えている。そんな彼女がこれまでシングル曲のフロントにならなかったのは「責任あるポジションよりも自由に動ける場所の方が東村は光る」という運営側の判断だったのかもしれない。

 また、歌唱面では成長を見せている。東村、金村、河田陽菜、丹生明里によるユニット曲「Cage」では、力強さと翳りを備えたような歌声を聞かせており、ダンス・歌唱両方において二期生を牽引。昨年12月に行われた『ひなくり2019』(『日向坂46 ひなくり2019 ~17人のサンタクロースと空のクリスマス~』)で叙情的な楽曲の世界観を見事に表現していたのも印象的だった。また、「ソンナコトナイヨ」のポジションで、金村と東村の後ろに丹生と河田が配置されているのは(「Cage」ユニットメンバーが小坂を囲っている並びになっている)、ユニット全体のパフォーマンス能力が買われたからこそ。それもまた、東村のパフォーマンスの高さがユニットにいい刺激を与えたからであるように思う。

日向坂46 『Cage』Short Ver.

 今回の東村の抜擢は、東村自身のパフォーマンス向上はもちろんのこと、それによってグループを牽引する力が備わったことも大きいだろう。また、疾走感のある「ソンナコトナイヨ」のパフォーマンスには、東村のダンスが重要になってくるはずだ。いつもは多くを語らない東村が、ブログで「少しでもフロントに相応しい人になれるように頑張りたいって思いました!この期間に成長したいです」(参照)と覚悟をみせていたのも実に頼もしい。

 4作連続でセンターに小坂が抜擢され、日向坂46のイメージが固定させている一方で、フロントの景色が変わっているのは興味深い。すでに公開されているカップリング曲「青春の馬」のMVでは、東村と金村がキレのあるダンスで小坂を支え新しい日向坂の景色を見せている。金村と東村は2020年の日向坂を面白くしていくキーパーソンなのは間違いないだろう。

日向坂46 『青春の馬』

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